なつかし首里
ゆっくり歩いている
走って
上がっていた坂道
小さな足で
あんなに元気な小さな子は
いま
ゆっくりと
歩いている
首里城は
すっかり人であふれ
聞いたことのないことばが飛び交い
わたしだけの
場所だったのに
変わってしまった
いさむくん
不良少年のいさむくんは
3年前に
お空に戻っていったと
首里城のお庭で
ばったりあった
しんじくんから
きいたよ
教室で
いつも先生にしかられていた
悪さばかりして
クラス委員長は
見張っているばかりで
さみしいよ
ひとりいなくなり
ふたりいなくなり
首里城の坂を
車で
たどる
風景が
流れていくよ