ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

基地の街で

2015-05-28 14:12:47 | 日記

                            基地の街で



                     さましたの
                     公園は
                     フェンスに囲まれて



                     お腹が空いたお昼時
                     近くのスーパーで
                     おにぎりを買って
                     口に入れたら



                     ずどーんと
                     揺れる音
                     身体中が
                     振動するから



                     おにぎりのお米が
                     のどに突き刺さって
                     震えた



                     あーあー
                     心臓のポンプが誤作動起こすよ




                     真昼のスーパーの駐車場の
                     アスファルトが
                     揺れて
                     波打っている



                     おいしくなくなったおにぎり
                     胃袋が
                     ぐつぐつと
                     沸騰して



                     

                     飛び出した
                     お米が
                     もったいない





                     うっぷっ
                     ぷっ



                     お昼の決闘
                     コントロール不能の
                     脳         
                     ころがり
                     ねじれている



                     あーあー
                     逆流する血液
                    


                     はいてしまった
                
                                       

老々

2015-05-26 11:38:00 | 日記


                      老々



                泉は
                娘を
                猫かわいがりし
                外に出さず
                暗がりの中で
                守った



                外の世界は
                恐ろしいからね
                空気は
                汚れて
                肺を
                おかし



                外の人間は
                自分のことしか考えないから
                食い物にして
                あっちこち
                切り売りするんだよ
 



                ナイフを持った
                悪いやつらが
                外の
                壁際に
                隠れて
                待ち伏せしている



                だから
                ここに
                うずくまって何も視ずに
                ただただ
                夢見て
                いきていればいいんだ



                泉は
                「娘は
                娘のままであるから
                これでいい」
                と思った



                或る日のこと
                知らないばあさんがいるので
                「どこのどなたでございますか?」
                ときいた



                そのばあさんは
                泉をじーと見て



                「おかあさま
                 おかあさま
                 白い髪になって・・・
                 おかあさま
                 私はいつでもお母様の娘よ」
                 といった



                 娘はいつの間にか
                 泉のように
                 白髪交じりの
                 しわの
                 老婆になっていた

                 とさ                 
                

哀しからずや

2015-05-22 14:21:28 | 日記


                       「さるは哀しからずや・・・」



                     さるは
                     空の青にも海の青にも
                     こころうごかされず
                     哀し


                    
                     こころある
                     きみに歯を剥きだして
                     襲う
                     その手を
                     みつめることもないのか




                     顔は
                     げにもおそろしく
                     おそろし
                     ばけものの
                     化身か




                     あわれ


                     
                     
                     

 

風船

2015-05-21 11:17:09 | 日記

                      風船



                   風船玉
                   ふわふわと
                   街に
                   野に


               
                   所在無く
                   ふわふわ
                   ふわふわと



                   山びこのこだまする
                   灰色の空
                   稲光と
                   大雨の中
                   何度も何度も
                   泥道を
                   潜り抜けてきたから
                  



                   こだまには
                   その泥と
                   何度もぬぐってきた涙が
                   込められて
                   


                   折れない
                   若竹のごと
                   



                   たま
                   ことだま
                   魂のこもった
                   叫び
                  




                   風船は真っ赤
                   真っ青な
                   空と海に



                   浮かぶ
             



                   

                   
                   
                   

青のプラカード

2015-05-18 10:40:01 | 日記

                       青のプラカード



                 青い空に
                 白い雲が走る
                 疾走する



                 青い焔を
                 揚げながら
                 海の代わりの
                 青き焔




                 あの空を駆け抜けて
                 


                 かの国にも
                 伝えよう




                 空と海の
                 青を傷つけるなと
                 白い雲に
                 乗って
             



                 珊瑚のすむ
                 青の海を
                 守ると





                 青のプラカードを高く掲げて
                 叫んだ



                 守れ
                 沖縄