ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

あんちゃんのふゆ  その3

2017-01-23 21:55:03 | 日記




               あんちゃんのふゆ その3



            消えては浮かぶ
            言葉の海で
            


            大波が
            やがて凪へ向かう
            といい




            普通と
            妄想の間を
            さまよっている



            左側の回路がショートを起こし
            小さな火が飛び散って
            線香花火


            
            枝がにょきにょき
            春には
            若葉が茂る
            といい

さすれば・・・

2017-01-21 14:20:19 | 日記

                   さすれば・・・



                さみしいんだか
                かなしいんだか



                ふゆの強風吹く道を行くと
                空は灰色の雲
                海は鈍色



                どんよりと
                こころのそこに
                かたまりが
                淀んで



                とぼとぼ


                重い足取り
                うつむく



                なんだかなー
                世界が
                逆走して
                

          
                わたしてき
                セカイノオワリ
                音が外れ
                リズムにも
                整合性もなく
                乱れ太鼓



                地軸
                駒の中心は
                ずれたままで
                地面を
             

                千鳥足
                

あんちゃんのふゆ  その2

2017-01-15 21:17:09 | 日記

                     あんちゃんのふゆ  その2




                 すすみすぎた時計が
                 いつのまにか遅れ
                 5分遅れ
                 15分
                 遅れ
                 すでに3時間も遅れ
                 過去へ
                 過去へ戻っていく



                 みんなで
                 食卓を囲んだ
                 貧しい
                 文房具屋の
                 小さな土間

   
                 野生のバラの花の垣根
                 匂う



                 丸坊主の頭が
                 同じ雑誌を眺めていた
                 古い記憶が
                 遅れてやってきた冬の風に乗って
                 あられの音の屋根の下で
                 渦巻いている



                 抱きしめた古い雑誌が捨てられず
                 ぼろぼろに
                 朽ちているのに
                 少年は少年のままに
                 


                 遅れた時計を
                 見つめ続けている
                 

                 
                 

あんちゃんのふゆ

2017-01-10 21:22:46 | 日記



                あんちゃんのふゆ



             冬の朝
             文字が消えてしまった
             言葉が消えてしまった
             頭の中の回路があちこち途切れて

             象形文字にもならず
             ずらーずらーと
             縦に流れて消えていくんだ
             

             血ににじんで
             溶けて消えてしまった
             言葉にも
             文字にもならない
             つらつらら


             溶けて
             滴り落ちていく


             あんちゃんは
             ロマンと欲望の中に
             体を横たえて
             暗闇の中をさまよい
             深い谷底に一人
             取り残されて
             知らない言葉の中でおぼれている



             あんちゃんの頭の中に
             大きな大陸の砂漠がぼうぼうと
             うねっては
             押し寄せて
             

             めんどくさい
             あくびをして
             ただただ
             ロマンだと思い込み
             めんどうを
             自ら背負い


             生きている
             はかなさを
             どうしようもなく
             地団太を踏んで
             

             むせびないている
             
             
             びゅうびゅうと