ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

迷えるかぶ

2021-03-25 20:52:56 | 日記
                         迷えるかぶ


                   かぶは地中深く
                   切り取っても
                   根深く
                   地球の裏側まで
                   
                   かぶは
                   からだのまんなかから芽を出し
                   かぶは
                   つながっている
                   切り取って
                   クリップをしても
                   切り取れない

                   呼ぶ声はおおきく
                   忘れることはない
                   その匂いは
                   こびりついて
                   忘れたとしても
                   ひょいと何かの拍子に思い出すもので

                   染み付いた
                   しぐさや
                   ものいいは
                   伝わっているものだ

                   三つ子の魂百まで
                   お里がふるさと

                   無防備なわたしを
                   守ってくれたことを感謝しなくては

                   わがままにならないように
                   刈りとることなく
                   伸び放題で
                   世間知らずの
                   やり放題

                   責めているわけではない
                   そうして
                   ここにいる
                   から
                   ありがたい

                   それにしても
                   毎日
                   毎日
                   楽しまず
                   思い煩っている

                   悩ましい毎日

                   うごかないかぶ
                   しがみついている土

かぞく

2021-03-23 22:51:29 | 日記
                      かぞく


                  だらだらの
                  のっぺらぼうの
                  毎日の
                  きょう
                  感染者が増えた

                  のっぺらぼうの
                  眉が動き
                  への字
                  口がゆがみ
                  あっ
                  と驚き
                  開いた

                   白いマスクで
                   顔の半分をおおい
                   コンビニへ出かけようとしていると
                   ご近所のおばちゃんが
                   かごをけっている
                   「なんで人様のうちの前に
                    ごみをだすの?
                    犯人を捜さなくちゃ!」

                   いらいらの
                   いがぐりが
                   尖って突き出ている
                 
                 外に出かけ
                 左右前後をみて
                 2mの空間
                 の中に
                 不安と不信の矢
                 
                   昔の家族は懐かしいが
                   もはや蜃気楼で
                   それぞれ
                   おひとりおひとり
                   最初の他人で
                   なつかしく
                   手繰り寄せる
                   遥か遠い記憶は

                   携帯の宣伝はいう
                   家に族で
                   家族
                   「それ なに?」

                   どういう族なんだろか
                   属であったり
                   賊であったり
                   俗
                   足

                   あっと
                   ゾクゾク

                   最初は
                   ぞくぞくの
                   そわそわっと
                   ぞわぞわ

                   胸の中の蜃気楼で
                   それは始まるようだ
                                   
                 
                  

迷路

2021-03-20 21:30:21 | 日記
                    迷路

                   路地で
                   迷い
                   還れない

                   路地に入り込み
                   肩幅の
                   細い路地裏で

                   振り返ったら
                   石垣の路地は
                   白く
                   消えていく

                   何を求めて
                   路地に入ったのか
                   うつむいて
                   足早に歩いていたら
                   ここまできてしまった

                   見上げたら
                   空は広く
                   青く
                   
                   あちこちに
                   迷路
                   

ささやき

2021-03-19 23:08:21 | 日記

                        ささやき


                    大喧嘩している
                    古いでっぷりとした主さんと
                    新しいおやっさんとが
                    大声で罵り合って
                    
                    はばかって
                    わんからわんからと
                    やかましく
                    仲良しこよしというのは
                    握手しながらの
                    ボデイブローなのか

                    子どもだから
                    見たくもなく
                    もう
                    耳から汚水があふれて
                    目は汚い目やにでつぶれてしまいそうで
                    
                    おーい
                    鬼平さーん
                    おでましを
                    御出馬を
                    
                    急ぎ働きでも
                    なく
                    闇にまぎれても
                    いない

                    あからさまに
                    これみよがしに

                    これでもかこれでもか
                    の
                    諦めを誘うツールか

                    鶴の一声
 
                    古典的なやり口
                    記憶にとどめない
                    ささやき

                    いろっぽくない
                    
                    

                    
                    
                    
                    

夕暮れの騒音

2021-03-16 23:43:00 | 日記
                        夕暮れの騒音

                    夕暮れ
                    スーパーの屋根の上を
                    二機がゆく
                    轟音をあげて

                    夕ご飯の食材を
                    バックにつめて
                    見上げる空は
                    茜色

                    その下に
                    星条旗
                    轟音は
                    東に向かっている
                    
                    朝早くから
                    星の光る夜まで
                    
                    スーパーの看板は
                    普通なのに
                    空の色は美しいのに

                    轟音の
                    戦闘機

                    世界が騒いでいる