ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

さかさふじ

2018-03-28 23:47:48 | 日記
                  さかさふじ



               十五夜の手前
               みちることなく
               まだまだの
               忍耐



               過重労働の一端を垣間見て
               いまだに
               精神力の世界は変わらず
               重箱の隅をほじくる癖も抜けず
               他の健康を守るどころか
               自らの健康を破壊しては
               自己満足ではなく
               誰の満足を守るのか
               ただひたすらに
               組織の歯車のナットの一つになりきり
               煙を吐きながら
               


               しゅぽしゅぽっぽ
               どこへ向かう
               この鈍行列車
               大勢を乗せ
               歯車は
               軋み           
               ガタがきて
               ガタゴトガタゴト


               
               風景は
               それぞれのめがねでみる
               さかさまの
               湖の面


               苦い
               塩水
               

あり

2018-03-23 11:36:52 | 日記


                   あり


                3月の風は
                春の嵐
                躊躇するサヨナラが
                荒れて
                滂沱の雨嵐



                地球の嘆き



                きょうは
                そんなことは忘れ去って
                青空に
                光る
                真昼間の太陽
                


                悪い癖の
                なかったことにしていく
                きれいな四季の花



                四季の美しさは
                しきもある



                しきを考えることは
                せいいっぱいいきることにも
                つながるとは
                きれいごとか


               
                しきそくぜくう
                しきそくぜくう


                
                ただ
                地球の片隅のあなぐら
                の中で
                地球を想像するだけ
                の
                それもあるあれもある
                の
                ひとつ
                の
                あり
                
                




                

腐ったオレンジ

2018-03-20 19:44:50 | 日記

                    腐ったオレンジ


                 オレンジ
                 風透しが悪い
                 袋の中で
                 腐った



                 なんでも
                 防腐剤の中で
                 ぽかりぽかりと
                 浸かって
                 いい具合に
                 腐らないはずだったのに



                
                 大義名分を
                 大上段に構えていたのだが
                 いつのまにやら
                 のらりくらりの
                 するすると
                 つるり
                 すり抜けて
                 ほらみろ
                 出し抜いて
                 騙し切って
                 この世は
                 太平の
                 あへん
                 こほんと
                 しあわせな
                 にほん
                 の
                 はた




                 キャンプの
                 フェンスに囲まれて
                 かこわれもの
                 やっていても
                 やっていないと
                 言い切れば
                 証拠の写真にも
                 しらばっくれて
                 やっていない
                 関係なんかしていない
                 と
                 腐ったお口が
                 いいはれば
                 なんだかな
                 3流のエロ本の話かと思って
                 しまい

     
                

                 けだるい午後の脳みそは
                 オレンジ色に染まって
                 腐ってしまうと
                 はっしと
                 きりっと
                 背骨を
                 伸ばす

てんとせん

2018-03-17 11:09:04 | 日記

                   てんとせん


               落ちくぼんだ目
               の
               暗い光
               と
               思ったのだが



               ただれた
               皮膚は
               治そうにも
               困難極まりない
               血管の中の
               糖分で
               べとべと


               たらふく食べた
               飲んだ
               膨らんで
               膨らんで
               薄皮1枚
               もうすぐ
               小さな刺激で
               はちきれ
               こなごなに
               破れるのか


               この袋の中に
               住む
               小人たち
               肥え太っていないか
               袋の中で
               切れるのか



               不愉快に
               不機嫌に
               思いがあるのか
               わがままなのか
               隣にいる人間に
               擦り付ける
               泥



               塗り込められた泥で
               呼吸ができず
               40歳が
               5歳の子に
               戻り
               雑踏の中で
               つばをそこらじゅうに
               吐き捨てている


            
               美しい3月が
               くらい
               まっかかの
               花びらにおおわれて
               


               ふたたびの
               みたびの
               古代の向こう側からの
               怨みに
               ふれて
               土深く
               埋めてしまうのか



               平成の点と線

               
               
               

パラダイスヴュー~きき~

2018-03-10 10:35:06 | 日記

                      パラダイスヴュー~きき~



                びゅーびゅー
                春の
                はじまりの嵐


                びゅーびゅー
                ちょび髭の
                なびく髪



                青い空を
                切り裂く
                2機の尖った
                刃物
                が
                ぽとりと
                柄を
                落とした




                     しかたねえ
                     急いでいるし
                     毎日
                     朝晩の
                     空
                     間に合わないねん


               
                     美術館やら
                     病院も
                     関係あらへん
                     ききせまっているから
                     いそがしいねん


         
                     でさ
                     えらいお方が来るから
                     提灯行列に
                     旗で
                     お迎えせんとな
 



                躍らせられた
                だまされた
                覆い隠されたままに
                めしいた眼で
                走ったあの時に
                戻るのか



                どこかで
                警報が鳴っているのに
                耳を押さえ
                考えることを
                やめたい
    

                わたしも
                きき