ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

送辞

2013-01-30 18:48:32 | 日記
                           看護を学び始めた人へ

                         ゆらりゆらり
                         千鳥

                         ゆーるりゆるーり
                         ゆるーくゆるーく

                         しばししばし
                         しばらく
                         しばらく
                         縛りを外す

                    
                         光った眼が理解できない
                         遥か遠くの
                         子供だった自分はわかるが
                         この子らはわからない
                         どのような思いで
                         病院という環境に身を置き
                         老人で病身の人に
                         話しかけているのか
                         大声で
                         同じ年齢のひとにかけるような言葉をかけている

                         ここに
                         こころ
                         
                         ここで
                         こまったひとにてをさしのべたい
                         という
                         やさしいこころならば
                         
                         ただたんに
                         就職率がいいから
                         お給料が普通よりいいから
                         ならば

                         せめてお仕事が人間を教え
                         人間の生と死を教えるならば

                         この仕事が責任あり
                         じぶんのこころが
                         つよくしなやかにあらねばならないことを
                         学ぶならば

                         面倒を見られてきたヒトから
                         面倒を見るヒトにならねばならないことを
                         理解するならば

                         年月のかかること

                         ゆっくりと
                         くるしみながら
                         うまれてくるのだろうか

                         その誕生の時のように                         
                         
                         
                    
                         

スーパーマウス時代

2013-01-29 16:36:12 | 日記
                        スーパーな時代


                    桃の頬
                   ぷっくりと
                   ふくよか
                   たじろいでいるまなざし

                   老人に
                   話しかける言葉は
                   たどたどしく
                   友達に話しかけることばとちがう
                   外国語みたいね

                   遠く
                   遥か彼方の
                   学生時代を思い出そうとするが
                   記憶に
                   霧がかかっている
                   ついこの間のことだと思っていた
                   母を亡くし
                   町の風景が
                   山からビルへ
                   ビルが
                   更地になるとき

                   時代が
                   ゆがみ
                   朽ちていく

                   優しい時代から
                   孤食の
                   ドアの中の孤独
                   に変わり
                   
                   木枯らしが
                   隙間から
                   ふいて寒いんだ

                   とげとげの
                   ハリネズミではなくて

                   殺虫剤と化学薬品を食べても死なない
                   スーパーマウスの時代
                   になったんだから

                   
                   

ぷろぱんがすについて・・・ある事・え・リアなお話

2013-01-27 10:35:15 | 日記
                              童話の真実


                            ありばばととうぞくは
                             どあにばってんをつけ

                          童話がうすっらと浮かぶ
                          見たことのない異国の建物が
                          心を躍らせて
                          わくわくと頁をめくった

                             つきあかりにてらされたさばくを
                             しろのいふくをまとった
                             王子と王女がラクダですすんで


                          エネルギーが燃える
                          プラントが震撼する
                          企業戦士が
                          銃弾にさらされ
                          恐怖を体に巻きつけられ
                          アリババは
                          惨劇の中に
                          

                             プロパンガスを使い
                             私たちは卵を焼く


                          
                          企業戦士の
                          その引受け元の
                          その下請けの
                          最前線の
                          技術者
                          派遣の
                          母親の号泣

                             お味噌汁をこさえたよ
                             プロパンガスの灯で

                          いのちが赤く燃えている

                          しかし沸騰はしない
                          激情で
                          お湯を沸かしてはならない
                          お湯の温度を利用させてはならない
                          冷静にお湯の温度を
                          分析し
                          お湯の沸かし方を
                          対策するのだ

                          悼む
                          炎

                          
                          
                                                     
                           

カクテル・・・かくして、かくかくしかじか

2013-01-26 22:41:36 | 日記

                       カクテル

                           柿の実
                           熟れて
                           おれんじ色がくずれ
                           お空に溶けだし
                           天は
                           夕焼け

                           飴
                           黄金糖

                           お口で転がすと
                           甘い虫が
                           融けだして
                           浸食し
                           
                           酸化

                           錆びついた心では
                           なんも
                           ふるえる          
                           弦
                           はない

                           下弦の月が
                           みおろして

                           ひかりの雨を
                           降らし

                           世界が
                           涙する

                           この
                           混沌

                           いつも
                           カオス

                           
                           
                           
                           
                           

ぽちの10年

2013-01-19 11:35:41 | 日記
                       ぽちの唄


                   昨日まで
                   子犬だったが

                   ある日の昼下がり
                   シャワーをしようと抱き上げたら
                   巻いていた小さなしっぽが
                   すすきのような
                   ふさふさの毛

                   耳が立ち
                   肉球が大地を踏みしめ
                   鋭くとがった牙
                   爪が
                   雑草を
                   かきむしる

                   10年が50年
                   白くなったあごひげ
                   コンクリートの縁側で
                   体を横たえていた

                   朝夕の散歩が
                   夕方だけになり

                   だんだん
                   だんまりの
                   やせた
                   背

                   ベージュと茶色の
                   クリクリまなざしの
                  
                   ぽち