ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

気候変動

2016-02-29 10:25:55 | 日記

                 気候変動



            どこにたどり着くのか
            地中から
            這いでてくる
            

            
            現象
            有象無象
            無残なむきだしの欲望




            空に
            唸るジェット音
            夕焼けの中にも
            夕餉の
            食卓の上にも
            夜更けのねいりっぱなにも
            耳を突き刺す



            
            朝の海外ニュースは
            世界が
            大波の荒海で
            揺れている
            



            耳の奥の海は
            今朝は
            凪




            風は
            突風
            嵐の春は
            まだ続いているのか
            単なるだまし絵をみせられているのか
            
            




            
            

            


            

やまきった(やまちっちょーん)

2016-02-27 10:29:34 | 日記
                  やまきった(やまちっちょーん)




              山がありました。
              緑の木々はどこにもありませんでした。
              川も
              鳥のさえずりも
              どこにもありませんでした。



              すもーきー
              霧でしょうか。
              腐りかけた食べ物の残り物と
              捨てられたぼろぼろの道具と
              ガスがもやっと



              山ほどに積み上げられています。
              黒いビニル袋
              どこに捨てるのか
              ブラックボックス
              安全の地図はどこにもない



              
              欠けた山の上で
              ますの測り売り
              ますの中には
              ふうりん
              リンリンとなりながら
              倫理なく
              あふれるほどに
              風鈴売り
              節操なく
              何をうっているのか



              
              分別できないゴミの山で
              身動きとれず
              頭がすもーきー              
              くずれる波の中で
              溺れかかっている



              
              宝の山を目指すとき
              自分にとっての宝とはなにか
              


              
              
              

ウサギの耳

2016-02-25 10:39:16 | 日記
                 ウサギの耳




            曇り空
            かすむ緋寒桜
            



            にわかに
            冷たい風
            が
            吹き荒れ
            


            くらっと
            落とし穴のなか
            不意打ちをくらった
            


            耳の浮き輪が
            ぷかぷか
            かたつむりが
            傾きだす
            


            ふねは
            嵐の中で
            ぐらっぐらっと
            鈍い音を立てて
            右へ左へ
            生きた心地がしない
            どうやって立て直すか
            横になっても
            縦になっても
            ぐらっぐらっと




            きょうの揺れは軽いさ
            すぐに収まる
            


            夜
            朧月は雲に隠れ
            こぼれている
            月明かり


            冷たいと思っていた風が
            ゆっくりと流れ
        


            あたたかなお茶を飲みほした


            嵐は
            すぎ去り
            


            耳の奥の海は
            穏やかに揺れている           
            
            
      
            
            
            

ぽたりぽたり

2016-02-22 15:07:21 | 日記

               ぽたりぽたり



           おやき
           ぽたぽたやき



           ひっくりかえしては
           焦がさぬように
           ぽたり
           ぽたり




           ひとふで
           ぽたり
           ぽたり




               何十年かぶりに
               心躍り
               スキップしながら
               でかけたよ
               朗読会
               名もない
               名札もない
               歳くった
               青白き詩人風きどりの
               あの日々と変わらないつもりの
               もう
               こんなにも年月が過ぎたのかと
               ためいきをついたよ
               好きだった詩人はいない
               お師匠だったと思っていたひともいない
               しかし
               重鎮は
               やはり重々しく
               到底近づくことができない
               詩をろうろうと
               うたい
               向かう姿勢は
               どうどうと
               ひょうひょうと



          きょうもひとり
          ぽたりぽたり
          の
          おやきづくり
          ぽたぽた


          いちまい
          にまい


           

春の嵐

2016-02-21 10:11:48 | 日記

                春の嵐



           あふれたモノに
           しあわせがいっぱいあると
           思っていたら
           サスペンスドラマより
           むごたらしい
           ことが
           起こって




           いのちが
           鳥の羽より
           軽く
           ふわりふわり
           と
           散って



          
           尊厳という
           重さが
           言っているそばから
           重力に逆らい
           空に
           ひらりひらり
           と
           融けてしまっている



           はかない
           花びら
           雨に打たれ
           茶色に朽ちた


        
           春の嵐