ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

一握の砂埃・・・石川五右衛門の嘆き

2018-02-28 23:14:20 | 日記

                    一握の砂埃・・・石川五右衛門の嘆き



         
                擦り切れた
                シナプスは
                火花を
                散らして
                線香花火




                もはや
                言葉の端々に
                ひとを
                もの扱いする
                オニヒトデたち


           
                新幹線の
                劣化は
                走ってきた人々の
                その子らが乗っていたから
                その子らも
                劣化して
                これで
                福祉や医療を語れるのか



                「新しく来る人から
                 いじめにあったらどうしよう。」
                とは
                精神担当の若い保健師さん
                信じられない現場の最前線
                二極化して
                契約さんに電話番をさせて
                職員さんは
                研修出張


                これ以上の
                働き方改革が
                何を生み出すのか


                働けど働けど
                ノルマは
                3月の年度末にも
                膨らむばかりで


       
                わが暮らし
                楽になることはなく


                沸騰甲子園の
                砂埃にまみれて
                同じ傷を
                なめることもなく
                塩をすり込む
                むごさ


                じっと
                手を見て



                天を仰いだら
                青い空に
                白い月
                三日月


                切っ先が
                光っている


                
                 

くろの正体

2018-02-23 09:52:12 | 日記

                   くろの正体




               にほんは勝つのだ
               敵を殲滅して
               ジャングルに
               ヘイを投入し
               物資が届けられない
               と弱音を吐くことは
               許さぬ



               72年前の
               頭たちの会議では
               資料に基づいた
               反対意見を
               封殺したという



                    今インパール
                    小さな事務所で
                    地域の人々の体重を
                    測定して
                    基準を逸脱したものを
                    呼び出して
                    食べ方と運動を
                    教授する
                    それは
                    ある政治家の一言から始まったらしい
                    医療費削減のためにと


                    医療費を削減するために
                    予防の費用に金を使い
                    地域に業績を上げなければ
                    予算を減らすと


                    責任感のある女史たちは
                    ノルマの重圧に
                    必死に耐えながら
                    お互いの傷を
                    かばいあい
                    あるいは
                    許せ
                    と
                    見放して
                    自分の身を守ること
                    に
                    眼にクマをつくっている
               




               72年前は昔ではない
               いまも
               その考え方ややり方は
               はびこって
               肺結核のように
               撲滅したつもり
               が
               油断をしているすきに
               入り込んで
               発症し


               死に至る病が
               顔をだす
               と
               「公衆衛生」の
               巻頭の文章に
               衝撃を受けたのだ


              
               掲載しただけ救い


             
                    
               



               

さかさま

2018-02-21 11:56:44 | 日記

                    さかさま


                会場の壁の時計が止まっていた
                健康相談に訪れた人の中に
                「どうして公的場所の時計が止まったままなんだ
                 怠慢である!」
                と

                それを相談の席でいわれたパートさんは
                腹わたの底から絞り出すような声で
                「何人にも言われましたよ。」
                美しい色白のその人は
                怒気をもらって
                その怒気を
                私に渡した


                その人に止まった時計を訴えた人を
                私は知らない


                訴えた人の
                時計を見たときに湧き上がった感情は知らない
                止まっているだけでも
                ほっこりとありがたいと思わなかったのか
                時間が止まったことで1日が過ぎていかない
                から
                ラッキーとはならなかったのか
                深刻な問題になって
                事務所中担当が走り回り



                そんなふうに
                笑いがなくて
                深刻に
                細かく細かく
                重箱の隅に
                たまっていく
                黒いものは
                不機嫌な世界を
                切り刻んで
                巻き散らかされた
                矛盾の
                小さな事象
                ではないか
                と
                神経質に仕事を遂行する
                背むし女史の
                顔を
                まじまじ
                と
                見つめながら
                健康づくり
                が
                健康を破壊している
                と
                さかさまに見てしまうのだった                
               

悟りかな

2018-02-20 22:16:32 | 日記
                   悟りかな


                 
                荒波
                溺れ
                濁流に
                飲まれ


                わがままし放題が
                この期に及んで
                もまれ
                伸び放題の
                雑草が
                刈り取られて
                四角い型に
         


                ずっきとする
                言葉の矢を
                受け止めて
                切り傷も
                擦り傷も
                さほど
                気に留めることもなく
                歯車の
                ひとつのネジ
                

                勤め上げるとは
                面の皮に垢がたまり
                苔むして
                厚くなり


                ひくひくと
                痙攣をする心臓の
                産毛が
                にょきにょきと伸びて
                立派な髭になること
                では
                ないのか
                と
                積み上げた石垣が
                ころげて
                耳から
                鼻から
                粉じんを上げて
                飛び出していくのだ


                頭の中の
                ロバが
                ロボットに
                変わっていくとき



                いじめの
                原型は
                どこにでもころがっている
                と
                妙に納得してしまった


                
               

                
                
                
        
                


               

権力という

2018-02-18 22:59:04 | 日記


                     権力という


                みなくてもいいものを
                みてしまうんだよ
                ながく         
                そしてうえにあがるとね
                おしあげられて
                たかいところから
                みおろせば
                すべてがみえると
                かんちがいしてしまうから
                あちこちに
                あたまをさげて
                すみません、すみません
                と
                けんきょを
                こころがけるのだけれど
                しらずしらずの
                このいちでの
                ちからが
                しみだして
                かんちがいが
                ほんとのようなきがして
                すべて
                おもうようにできると
                おもってしまい
                それを
                行使してしまうのだ
                虚構の
                権力をもつという
                自分
                神っているって