悲嘆
「国語」のなかで
こぶしの花が咲き
「社会」では
かまくらであかりがほんのり
むぎふみをする
「日本史」は縄文土器が
いすわり
弥生の中で畑仕事
平安な世界では
十二単で文学する紫式部
鎌倉幕府は
がけから馬で駆け下りて
大奥の維持に
金策で江戸を駆け回り
黒船に対抗して
港町を開き
富国強兵にひた走り
小さな島も引きずり込まれ
あれよあれよの
国際的孤立の
三国同盟の
恐怖時代を苦しく立ち回り
おびただしい
悲嘆と苦難の茨の道
ああ
こどもたちは
社会の鏡なので
暴力が満ち溢れていることを
自らの体で
痛ましい
時代を映し出している
幸せなはずの時代は
うそと欺瞞と虚偽に塗り固まれ
こどもだったはずの大人が
手本のうそをあたかも真実のごとく
美しく着飾った言葉で
ダブルメッセージを送るから
凶器と狂気に
かなしむのだよ
生きづらいと