ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

少子高齢化ということ、再び

2012-02-09 20:03:19 | 日記
      施設の中で      


        床が
        近くに見えるのです

        だけどばやけて
        床の木目が
        ゆらゆら

        床の
        冷たさも
        暖かさも
        わかりません

        視界は
        上目遣いの
        屋根に
        届かない

        お楽しみの食事は
        みんなと一緒なんだけど
        車いすに
        縛られた
        食卓

        しーんと
        静かで
        茶碗の音だけが響く
   

        大切にされているんだか
        「ジンぬぅサビ」
        なのか

        よくお世話をしてくれ
        おしっこの呼び鈴も
        寝台から起こしておくれのベルも
        
        きみたちの
        お給料の
        元さ

        若いころには
        畑で野菜を造っていた

        なのに
        足も
        背中も
        枯れ木

        家に返してーと
        叫んでも
        
        不穏の
        レッテル

        さんぴん茶に
        私の漬けた
        黒糖の大根を
        どうぞ
        と
        赤い屋根瓦の下で
        もてなして
        あげるよ

                             
        
      

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