ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

蜃気楼

2021-08-26 00:28:04 | 日記
                       蜃気楼


                    過ぎていく日を後悔せず
                    過ぎ去った日々を手繰り寄せて
                    考える


                    こんなふうにして生きてきました
                    あんなことも
                    このようなことも
                    ぼんやりした風景の中に
                    霧雨のように
                    降って
                    消えてしまいました

                    なんだったのだろうか
                    いままで
                    これまで
                    ころげまわっていたようなきもするが
                    ちっともころげてなくて
                    立ち止まったまま
                    うつむいていただけのようだ

                    かのひとは
                    食い散らかすことに執念を燃やし
                    またかのひとは
                    金をかき集めることだけにすべてを費やし

                    わたしは
                    なにをしてきただろうか
                    幻を夢みて
                    
                    こんなにも
                    やせ細ってしまった

                    それでもなお
                    夢見ることはやめられないのだよ

                    

白い朝ーぼくの永訣の朝ー

2021-08-23 00:56:13 | 日記
                       白い朝ーぼくの永訣の朝ー


                    彷徨うというには
                    もう
                    遥か遠くにきてしまった

                    胸の奥
                    コトンと
                    鉛が落ちて
                    重く
                    だんだんその重さが
                    大きく
                    
                    生きるって
                    重さをいくつも抱えることなのか
                    と
                    はたちのこころで
                    青く
                    思ってみる

                    何を信じたらいいのか
                    何を支えにこの先
                    生きていけばいいのか

                    短くなっている
                    ろうそくの先の炎が橙色に燃えて揺れている
                    生きたようにしか
                    生きられない

                    一生懸命に生きている
                    「あめゆじゃ とてちてけんじゃ」
                     
                    水を
                    清らかな水をという
                    
                    その乾いた喉を潤して
                    最期とはいいたくない
                    とおもう
                    こころが
                    苦しく

                    戸惑っているのだよ

             
                   
                    

ぼくのレモン哀歌

2021-08-10 00:10:37 | 日記

                     ぼくのレモン哀歌


                 雲は風に流れ
                 大空の中を漂う

                 ぼくらは
                 時の中をもがき
                 時の中を歩いている

                 突然の病
                 死にいたると告げられ
                 ひとり立ち向かうには
                 ぼくらは
                 ゆれるか弱い葉
                 風がいたい

                 なぜ
                 ぼくなんだろうと
                 繰り返し
                 思い

                 思いは
                 鉛の重さ
 
                 ずっしりと
                 肉を削り
                 骨があらわに

                 ぼくは
                 ぼくのかわりに
                 血をわけた
                 ぼくの生涯を
                 残そうと
                 
                 なみだの
                 ひとつずつをかきあつめて

                 記していこう
                 と
                 どうしていいのかわからない
                 ぼくの
                 この
                 狂おしい
                 いきてきた
                 みちを
                 ふりかえるのだよ

                 ぼくにはわかりようもない
                 もうひとりのぼく
                 の
                 さみしくもみえる
                 人生を
                 書き残すよ

                 ぼくのために