ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

さようか

2014-12-29 23:56:07 | 日記
                  さようか



               瞬きの
               間に
               景色がかわった


               びっくりしたよ
               こんなにも
               時間というものが
               思うほど
               長くなく
               短くもなく
               いや
               短いのかもしれない


               あっという間の
               時間で過ぎていく
               音速の
               光の速さの
               


               振り返ってばかりではしかたがなく
               進まざるをえない
               生きていくしかない
               と




               めそめそと
               この年月を
               抱きしめて
               離さないようにとしても
               この手から
               するすると
               ほどけていくのだから
      

              
               すべてを
               よしとして
 

               きょうにさよなら
               今年にサヨナラ
               



                  
               

熱いクリスマス

2014-12-25 15:31:57 | 日記

                     熱いクリスマス                     


                クリスマスだというのに
                冬の寒さはどこへやら
                太陽がギラギラ照りつけるから
                降り積もった思い出は融けてしまって
                記憶の神経のどこにも引っかかってもいない



                この前いった歯医者さんで虫歯から神経が引きずり出され
                この神経は痛んで 
                涙を流しながら
                取りついていた思い出もいっしょに
                捨てられてしまったんだ




                ずきんずきんと
                鈍い痛さが
                お口を走る




                思い出は
                鈍い痛みが消えてしまうと
                のど元から
                去り



                どこにも
                なくて
                ただ
                古い美しい
                写真のように時々取り出して
                懐かしく思い
                もう
                セピアの彼方にいるのだけど
                

                この彼方を
                みつめると
                ぎゅっと
                こころが
                締め付けられて


                目から
                すーと
                涙が
                こころの痛みを
                癒すのだよ
                
                

みだれ髪

2014-12-24 16:17:30 | 日記

                     乱れ髪


                こころちりじりに
                乱れて
                

   
                やれやれ
                趣味が悩むことか
                こんなふうにして
                悩みを見つけて
                生きてゆくんだろか




                ないものねだりの
                時間を持て余して
                なにをしようかと
                空いた時間を悩んでいる



                忙しければ
                忙しいで
                忙殺されて
                何を生きとるんか
                と
                悩み



                食い物のない
                何もない
                飢えた人たちを
                思い出しもしなかった
                なんという
                贅沢な・・・



                星の王子様
                「酒飲みがね
                 どうして自分は酒を飲むのだろうと
                 酒を飲みながら
                 悩んでいる」
                と
                呆れてしまうのは
                わたしのことだったんだ
                と
                暇を
                悩んで
                時間を過ごしている



                おい
                ありがたく思え
                と
                酩酊した
                赤ら顔の脳が
                ささやくのだ
                

その訳

2014-12-22 09:52:09 | 日記

                    その訳



                船は
                最初から船ではなかった
                ましてや沈まない鉄のお舟



                小さな島は
                渡来するものにおもてなしをし
                そのやさしさに付け込まれて
                静かな村を
                焼き払われ
                畑を
                略奪され
                


                娘を
                さらわれ
                


                生きるすべを
                なくしたものは
                外にでて



                長い長い時間をかけ
                言葉を失い
                村のあぜ道は
                広いコンクリートの道になり
                空に鉄塔がそびえ




                ききなれない言葉が
                飛び交うので
                困惑し
                こぶしを握り締め
                尊厳のないこと               
                できあがった
                お舟が鉄板でしつらえられていることに
                気づいて
                


                握っていたこぶしを
                そのまま空に向かって
                突き上げたのだ
                
                
                
                

豹変

2014-12-19 15:46:54 | 日記


                    豹変


               のどを鳴らして
               すりすり
               ごろんの
               ぽっちゃりお腹



               お腹に触れると
               カッと
               おおきく頬が
               われて
               がっぶっと
               鰐になる



               その牙を
               普段は隠し
               べろべろっと
               ずりずりと
               なめるのに



               突然
               豹にもなる
               ぎゅう
               かりり




               豹変