ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

「‘沖縄(の状況)’はなぜ(詳しく)報道されないのか?」ということ

2013-12-23 09:33:52 | 日記

                       偏狭



                   隙間から

                   数秒の間に見える景色から
                   読み取ることは可能か

                   読み取れるほどの情報は
                   どこから得るか

                   それが問題だ
   
                   「生か死か」
                   (わたくしにとってそれは何が問題なのか)
               
                   だせーか

                   すでに
                   あふれでた汚水は
                   眼にも耳にも
                   滲みこみ


                   脳内に
                   走る
                   電脳ロボット


                   洗い流すには
                   染まっている
                   染色体


                   二重構造にねじれて絡まっている


                   何が正義か
                   何がわが利か


                   身ぐるみはがされた
                   あの地上戦を思い出せ


                   そして
                   ここまで
                   
                   

ぞおー 象の涙

2013-12-21 15:26:50 | 日記
                             ぞおー


                      ぱぱ
                      ぱぱぱ
                      ぱぱぱぱ


                      ぱやお
                      ぱおや



                      ぱー
                      ぱー


                        胸の奥で
                        ぱおー
                        象が
                        長い鼻を水たまりに突っ込み
                        大きな背中に
                        冷水


                      ぱおー
                      ぱぱぱおー


                        ぼくらは
                        どこに連れて行かれるのだろうか
                        長い長い
                        滑車が
                        暗い
                        暗い
                        トンネルに入ったようだ



                        ぼくらを
                        駆り立てて
                        滑車は
                        走る
                        そとはやけにきんきらきん
                        なのに
                        ジングルベルも楽しげ
                        なのに
                       


                      ぱぱぱ

                      ぱー
                      ぱー
                      
                      ぱおー

                        巨大な象は
                        ひび割れた足裏を
                        踏ん張り
                        走るのだ
                        緑の木を
                        失った
                        砂漠を


                      
                        雲のない
                        青い空を
                        銀色のジェットが


                        キーンと
                        キーーンと

                        叫び声をあげて
                        空に

                        天に


                        まっ白な傷をつくるのだ

                      
                     ぱー
                     ぱー
                     ぱおー


                     象の涙                       
               
                      

冬の風景

2013-12-16 21:40:39 | 日記
                        ふゆの風景


                  風がふいた
                   そっと

                 それから
                  さーっと通りすぎ


                 さわさわと
                  木の葉を揺らした



                  あのね
                  黄色くなった葉っぱがね
                  ゆらゆらと
                  風に乗って
                  地面に降りて行って
                  かさこそと
                  風に飛ばされていったんだよ



                風が通り過ぎていったとき
                 胸の奥で
                 きゅうーと
                  きゅーっと


                 コップの中の
                  氷が
                  溶けていくとき

                   冷たくなる音がしたんだ
                    そのあと

                     涙がほほの上を
                      冷たく
                       あとで
        
                        あたたかくなって
                         ながれていったんだよ



かもね。

2013-12-15 10:53:33 | 日記

                       ディナーかも


                   大きな皿の
                   上に
                   程よい大きさの
                   皿が
                   おかれていました。



                      鴨は
                      漏斗をくわえさせられ
                      遺伝子操作の御豆を
                      押し込まれ
                      苦しいのに
                      くちばしを
                      大きな手で
                      閉じさせられて
                      飲む込むしかありませんでした。


                      毎日
                      毎日


                      丸々と
                      太り
                      鴨は
                      病気になりました。


                      脂肪肝

                  
                   「わーおいしそうなフォアグラ!
                    リッチに
                    フランス料理を
                    クリスマスデイナー!」
                   
                    
                    笑いながら
                    召し上がる
                    赤い紅のお口


                    は


                    肥満のマダム
                    「ぱーどぅん まむ」
                    金の鎖が
                    手首で光る


                    喰らっているのは
                    黄金のおすそわけの
                    病


                    あなただって
                    首根っこを
                    抑えられて
                    喰わされている
                    かも
                    
                    
                          
                   

おけはざまのたたかい

2013-12-14 17:03:16 | 日記
                           カラオケ(空桶)



                     僕らの時代は
                     はるか遠く

                     カラオケボックスの
                     中で
                     モノクロ

                     スローに
                     建物の少ない
                     野原で
                     合唱する


                     あふれるものに埋もれた
                     青白い子供たちは
                     選択の自由が
                     あったはずなのに
                     選択せざるをえない
                     岐路へ
                     引きずり出されて


                     マリーアントワネットの
                     きらびやかな
                     ドレスが
                     富の集中の成果だったことを
                     知ることが
                     いつなのか



                     カラオケボックスの中で
                     ピンライトを振り
                     何も知らなかった
                     春の日の
                     点滅する
                     かすかな明かりに
                     恥じ入るのだ


                     はるか遠くの
                     僕らの時代は
                     母と父の
                     屍の上で

                     タワーを
                     高く
                     高く

                     積み上げているだけで

                     今も
                     タワーをつくろうとしている