ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

子守唄

2016-06-29 19:35:46 | 日記

                   子守唄

 


               日めくりの
               カレンダーを
               ちぎる
               1日の終わり



               見ないふりをして
               やり過ごした
               


               世界があまりに
               ぐちゃぐちゃで
               一緒に
               ぐちゃぐちゃ
               恐ろしい出来事が
               あっちこっちで
               起こるから
               だんだん
               下をうつむく



               内向きだという
               一緒に
               うつむいて
               地面の
               30cmの
               世界



               お隣りの席の
               アジアン
               白い足を出している
               スマホで
               首里の景色をパチリパチリの
               観光客
               ゆいレールがさ
               混むからさ
               でかい荷物だし



               くるなよ
               首里城の
               冊封使



               偏狭の
               排他の
               あんたのかーちゃんでべそ的
               好き嫌いの物言い草


         
               草むらのぺんぺん草にうつぶせになり
               小さな小さな
               虫めがね


         
               あーあー
               ねむくなってきた



               ことりと
               眠りにおち
    

           
               夜明けに向かう
               1日の終わり

                             
 
               

宝石箱

2016-06-26 13:16:40 | 日記


                  宝石箱



              朝の空は真っ青
              朝の海も真っ青

              
              光り輝いて
              まぶしい


              ちょっと北へ出かけてくらあー


              ひと眠りしたら
              どんよりと
              景色は灰色
              海も川も空も
              どんより灰色
              


              汚れて
              いるのに
              通りは広く
              高くあおい並木道
              つんとお澄ましの中に
              アジアの被り物の人がポツリポツリ


              人々はそれぞれのカプセルに守られて
              歩いている
              150㎝の孤独
              すーすーと
              梅雨の肌寒い風が通りぬける


         
              どちらからいらしたの?
              オキナワからです
              一瞬こわばったような気がした
              いま
              オキナワはたいへんですよね
              (どんなたいへんなのか)
              そうなんですよ
              肥満日本一で
              なんだかなあー
              そういう勉強会だから
              まあ いいか
              どちらからですか?
              長崎からです
              そうですか、松浦鉄道に乗ってでかけたことがありますよ
              佐世保も好きです
              なんだかなあー
              とんちんかんのこころのなかで
              (永井博士の如古堂へいきましたよ)
              と答えている

              

              
              オレンジ色や
              青白く光る
              宝石の中を
              じゃりじゃりと
              かき分けていると
              思ったら
              オキナワは
              夜の中で
              温かい
              
              

              ザーザー降る
              雨を
              突き抜けて
              


              ふーっと
              懐の中へ
              

              
              

              

2016年の6月23日

2016-06-23 10:57:27 | 日記
                    2016年の6月23日




                偽りの平和よ
                隠ぺいされた
                深い洞穴で
                眠る
                たくさんの犠牲の骨たちが
                声を上げる
                6月23日




                フェンスで
                がんじがらめの
                門中墓の
                琉装の人々よ
                望まなかった
                更地の
                芝生で
                居心地が悪いだろうに
                異国から許可をもらって、捧げられた
                重箱のごちそうはまずいし



                あたりの
                光り輝く
                がんがらがんのきらびやかな金きら金に
                眉を顰めながら
                そのしわだらけの
                顔をそむける



                暑い夏の
                太陽の光のほうが
                懐かしいと
                
                
              

ゆらり蝶

2016-06-23 10:42:53 | 日記

                  ゆらり蝶



               白と黒の模様の
               蝶が
               どこからともなく現れて
               ひとまわり
               地面すれすれに
               その羽をみせて
               どこへいくのか
               飛び去った



               夕方の
               スクランブル交差点
               まだ陽射しがさすから
               麦わら帽子の頭で
               国際通りへ



               異国の繁華街
               お土産屋と食べ物屋
               ごちゃごちゃの胃袋
               そこには
               琉球料理はもう存在しない



               無国籍の呼び鈴で
               生ビールが
               泡立って
               流れている通り



               日暮れの
               青空に白い雲
               蝶が
               ゆらり
               ふつうの暮らしを
               恋しがっている
               
 

6月のせみ

2016-06-17 21:32:06 | 日記

                         6月のせみ


                梅雨のあけた
                6月は
                いきなりの
                夏空
                真っ青の中に白い雲が湧き上がっている
    



                濃い緑の木から
                声が聞こえてくる
                土を破り
                顔を出した
                短い命たち




                かな
                かな
                かなし



                かなし
                みやらび
                

                
                かな
                かな


                
                かな
                かな
                かなさ
 

                
                かなさ
                みやらび


               
                かな
                かな
                かなし
                うちなー


                かなさ
                うちなー



                6月の
                雨にうたれた
                わが島
                うちなー