ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

しちしちにち

2021-11-28 20:46:21 | 日記

                      しちしちにち


                    残酷なおむかえは
                    容赦しなかった

                    だから
                    どのような音も
                    どのような絵も
                    言葉も
                    しみてこなかった

                    天井が
                    くるくると
                    ゆっくりまわる
                    あっ
                    いやな予感
                    冷や汗が
                    しみでて
                    もう
                    ここにはいない
                    体中
                    あれくるう

                    荒波のなか
                    どんぶら
                    どんぶら
                    どこの海にいるのか

                    ひとり
                    漂う
                    漆黒の宇宙なのか

                    なみだは
                    めではなく
                    はなから
                    
                    あー
                    行き場のない
                    迷路の中でのたうちまわる

                    まわる地球にいるから
                    いいんだよ
                    閉所
                    閉塞
                    閉じた心を
                    こじ開けて

                    嘔吐
                    
                    救って
                    なくした細胞のかたわれ
                    さびしい星になならないで
                    そのたましいは
                    いまも近くにいて
                    いつものように
                    頬杖をついて
                    音楽を聴いている
                    そうでなければ
                    ぽちといっしょに
                    川のほとりを散歩している
                    リュックをしょって
                    とらやに
                    ビールを飲みにいっておいで

                    平安な
                    たましいでいてほしい

                    少しずつ

                    
                    
                    
                    

さすけー風のサムライー

2021-11-17 19:45:33 | 日記
                        さすけー風のサムライー



                   風が行き過ぎる
                   
                   だれもいない部屋の窓
                   ノートをぱらぱらとめくっている

                   風が行き過ぎて
                   
                       春に存在し
                       夏の終わりにひりひりと焼け
                       秋の風に舞い散った

                  風の行く先は
                  大空のむこうか
                  かじゅまるの葉に
                  舞うのか

                       夏のひかりを
                       しずめ
                       かじゅまるの水滴で
                       ひやし

                  癒されぬ
                  引っかき傷が
                  化膿しないように

                       風よ
                       舞い上がれ
                       後悔しない生き方だったと

                       大空の向こうで


                  



                

領収書

2021-11-07 09:54:37 | 日記
                    領収書


                 9月1日から
                 30日までの
                 在宅診療費の
                 請求書が
                 最期の
                 頑張りの証

                 生きると願いながら
                 体の錘が
                 積まれて

                 ベッドの横に
                 備えたチェアトイレ
                 立ち上がれず
                 崩れた
                 灰色の土くれ
                 悔し涙に

                 ぼろぼろと
                 壊れた

                 くやしいよね
                 部屋の
                 あちこちに
                 生きたい生きたいと
                 紙に
                 書かれた
                 健康になるためのこつ
                 食事の摂りかた

                 妹は
                 ただ
                 ぼろぼろと
                 涙をながし
                 床に

                 落とすだけで
                 すべなく

                 請求の完済という領収書の分厚さに      
                 ふたたび
                 号泣している

                 朝の
                 腰掛を動かす音

                 耳に残っている