ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

あたらしい時空へ

2020-12-29 22:32:13 | 日記

                       あたらしい時空へ


                    さよなら
                    きのう
                    さよなら
                    きよう

                    さよなら
                    去っていった年月
                    去っていく日々
                    消えていった時間

                    あした
                    あたらしい時間がくる
                    あらたな時間の中をあるいていく

                    あたらしい雨
                    あたらしい風

                    雨嵐もあたらしい
                    冷たく寒い朝も
                    きのうにはなかった
                    
                    どこに
                    降り
                    どこにむかって
                    風が吹くのか

                    あたらしい時間を歩いて
                    見据えるさ

                    
                    

令和今昔物語

2020-12-23 21:21:27 | 日記

                       令和今昔物語

                    あるところに
                    おじさんがいました
                    おじさんの頭は
                    バーコードで
                    目はあいているのか
                    とじているんだかわかりません
                    
                    不気味な
                    意味不明な言葉を使い
                    
                    おじさんの乗っている船は
                    大海原で
                    どんぶらどんぶら
                    どこにいこうとしているのかわからない
                    羅針盤もない
                    だれが
                    その船を動かしているんだか
                    わからない
                    前いたおじさんの言う通りなのか
                    金目で動くんだか
                    人目気にして動くんだか

                    ある日のこと
                    船の中で乗り込んでいる人々が
                    こほこほごほっと
                    咳き込んで倒れて
                    息ができなくなっていくのでした

                    おじさんは
                    おろおろもせず
                    ただまっすぐに
                    金蔵のある島を目指していけ
                    いけー
                    ただまっすぐにつっこんでいけー
                    と号令をかけたのでした

                    方向も定まらず
                    みなばたばたと倒れこみ
                    おじさんのおそばの方々は
                    なんだかしらないが
                    右へ倣えで
                    いけーいけーというのみでした
                    方向を示せる人たちも
                    こちらの方向へ行きますと
                    船が壊れますよ
                    と
                    小声で言っても聞くわけもなく
                    もしかするとぶつからずにすむかもですね
                    と

                    ばたばたと倒れる人たちを介抱する人は
                    走り回り
                    重い介抱の道具を背負い
                    走り回り
                    疲れ果て
                    その介抱を見たことない人たちは
                    介抱される人たちから
                    ばい菌をもらっているかもしれないから
                    あっちいけ
                    と
                    ののしるのでした

                    おじさんの周りの偉い人たちは
                    奥座敷でおやすみになって
                    偉いというお代金をもらっているのでした

                    おじさんの旗振りは
                    どこに何を示しているのかわかりませんので
                    みんなどうしていいのかわからず
                    そういうことならば
                    飲めや歌えも悪くはなかろう
                    と
                    飲み食いが
                    お商売をしている人たちを助けるのであれば
                    と
                    
                    どっちも哀れな

                    おじさんの船は
                    ドル箱なのか
                    泥舟なのか

                    ぶくぶくと
                    船底は
                    溶け出しているのでした

               

はーべーるー

2020-12-23 01:00:34 | 日記
                       はーべーるー  


                    おいちゃんとおばちゃんの声は
                    遠く
                    小さく
                    「はい、はい」と
                    
                    娘たちに助けられて
                    電話を
                    耳に当ててもらっているのだろうか

                    はっさくを送ったお礼の電話は
                    短く
                    力を振り絞っている

                    若かりしころのおいちゃんの
                    あやまちなのか
                    若気の至りだったのか
                    もう一人の娘は
                    さみしい
                    さみしいと
                    あちこちに
                    ひらひらと
                    羽を
                    こすり
                    じぶんは哀しいにんげんだから
                    甘えていいんじゃないかと
                    じぶんでそういって
                    ひらひら
                    こすり合わせた羽から
                    粉
                    さみしい
                    さみしいの
                    粉を
                    ふりまいて
                    
                    ひらひらと
                    飛び回っている

                    さみしいのは
                    みんなさ

                    背負っている人生は
                    それぞれのもので

                    さみしい
                    さみしいという
                    羽の粉が
                    ひらひらと
                    とんで
                    空中にとけていった
                    
                    

どついたるねん

2020-12-16 21:31:41 | 日記
                       どついたるねん
                     

                   どーんと
                   胸を突いた
                   どついてるねん

                   雑草のからまった
                   庭は
                   根っこにスコップをあて
                   引っこ抜くんやて

                   怒鳴っているつもり
                   では
                   なかったのかもしれない

                   胸の奥で
                   渦巻いているのは
                   なにかな

                   よくわからない
                   DNA
                   どついたひとの
                   中の遺伝子は
                   こちらにも何分の一かあって
                   激した感情が
                   おどろおどろしく
                   飛沫になって飛び散る

                   絡まった二重螺旋は
                   四重にも
                   八重にも
                   絡まって
                   解けない

                   人類の始まりから
                   さかのぼって

                   さわやかな人間とはいかない
                   どぎつく
                   数拾兆個の細胞の中の未知なる
                   DNA

                   からまってくちゃくちゃ
                   簡単に引っこ抜けないだろ
                   
                   

風にむかってー激励ー

2020-12-15 21:11:09 | 日記
                      風にむかってー激励ー

                   ちりぢりの
                   くずれそうな
                   あたまを
                   なでつけても
                   冷たい強風が
                   あたまをちりぢりにして
                   あたま
                   またまた
                   ふきっさらし
                   じぶんをさらして

                   寒空に
                   ひとり
                   地面を踏ん張って
                   と思っても
                   口ほどにもなく

                   寒さに
                   踏ん張る足は
                   震え
                  
                   フェンスを前に
                   ただ突っ立っていた
                   あの日

                   旗は
                   強い風の中で
                   今もたっている

                   風にむかって