ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

巣篭もり

2020-04-30 20:28:39 | 日記
                       巣篭もり


                    肩が落ち
                    背中を丸めた

                    目は下をじっと見つめ
                    
                    うつらうつら
                    もうすぐ夏
                    陽は暖かくなり始め
                    風に
                    揺れて
                    ゆらゆら
                    木の葉の影で

                    こくりこくり
                    眠りにはいる

                    通りは
                    空
                    呼吸を避けて

                    透き通る
                    目は
                    青

                    木の葉にも
                    光の揺れにも
                    動かず

                    足元の地を
                    じっと
                    見つめている
                    
                    時間が足早に
                    駆け抜けていく
                    
              

古い地図

2020-04-26 21:55:27 | 日記
                        古い地図


                    言葉を捕まえていたような気がしたが
                    はて
                    なんだったっけ

                    れいしの実
                    厚い茶色の皮から
                    ぷりっと
                    つるっと

                    はて
                    なんだったっけ

                    四角い画面から
                    微笑んで
                    話すことは
                    リアルなのか
                    二次元なのか

                    地獄谷の
                    餓鬼道の下り坂かと
                    ばくばく
                    心臓が真っ青で
                    顔に手を当てたらいけませんというから
                    ムンクの叫びも
                    お手上げで
                    万歳三唱になってしまうような
                    過去に起こしたことを
                    ちっとも
                    改めず
                    同じことをしている

                    踊るあほに
                    右に同じの
                    前習い

                    集団行動の
                    きっと
                    あの木の葉を担いで
                    走るアリのように

                    ぼくたちは
                    地球から転げ落ちるんだろうか

                    あっ思い出した
                    集団的自衛

                    これは戦いではありません
                    あくまでも守るのです
                    生き抜く
                    生きていくのです
                    
                    

金魚鉢

2020-04-22 22:52:55 | 日記

                     金魚鉢

             最初から他人
             だって
             ひとり

             近づきすぎると
             つばは飛ぶし
             ウイルスを交換してしまうし
             
             くっつくと
             他人じゃなくなって
             脳みそまで
             入れ替わってしまうし

             なまじ
             昔の懐かしさで
             油断すると
             すきまから
             悪魔が忍び込んできて
             悪臭を放ってしまう

             昔の
             あの無垢だった笑顔は
             最近じゃ
             口をゆがめて
             笑い顔を作り
             自分の思うままにしようと
             目が
             何かをたくらんで
             きょろきょろ

             まっかっかの
             金魚が泳いでいる
             閉じこもった狭い鉢の中で
             
             悪魔に振り回されてしまうのさ

骨肉

2020-04-19 10:55:48 | 日記
                       骨肉

                   骨と肉をつくるDNAが
                   ほぼ同じなので
                   それは肉親
                   
                   肉類に見えるが
                   おなじ肉を食らうという
                   おぞましい話

                   ライオンならば
                   食事をするのに
                   獲物を追いかけて
                   襲う

                   口の周りを血だらけにして
                   光る眼
                   ライオンなので
                   普通

                   ヒトは
                   大量に食いちぎるのに
                   理由が隠されたり
                   優しい言葉を添えて
                   やることが
                   不気味な生き物である

                   優しい言葉に
                   毒を含ませて
                   体中に浴びせて

                   試されている
                   COVID19の赤いぼつぼつのウィルスに
                   骨肉の争いをするのか
                   分断を
                   信頼と協力にどう変えていくのか

                   リーダーと呼ばれているヒトの
                   本性を
                   見極められるか
                   

                   
                   

五月だれ

2020-04-17 23:44:02 | 日記
                        五月だれ


                   春風は
                   激しく若い葉を揺らしたり
                   やさしく
                   あやしたり

                     むかし
                     むかしのことでした
                     春風の中
                     雑踏を
                     器用に避けながら
                     まっすぐ
                     歩いていました

                     きらきらと輝いているネオンの下で
                     踊るように歩いていました

                     遠く
                     遠くなった
                     向こうを
                     懐かしく
                     思い出し
            
                     今をどう生きるのか
                     一瞬考えました

                     そして
                     また
                     のしいかの
                     ぺらぺらの
                     何も思わない
                     わたしにもどるのでした

                      危機的な状態、状況
                      頭の中で
                      あかいぽつぽつの球体がめぐる
                      毎日
                      選挙中継のような数字のボード

                      踊る会議に
                      踊る捜査線
                      踊らされる

                     五月雨の空気がよどんでいる