ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

じだんだ

2015-09-28 14:52:26 | 日記

                    じだんだ



                  秋風に
                  背いて
                  半袖の
                  シャツ




                  シャツを脱ぎ捨てられずに
                  洗濯でよれよれになり
                  



                  そのまま
                  身につけ
                  明け方にうなされ
                  このままでいいのかと
                  すそを
                  噛み
                  


                  すすみすぎる
                  行進のさきを思い
                  その行進をしているものの行方を
                  息をつめて
                  みつめている                  
 
                  
                  
               
                  
                  

                 
                

そーせいじ

2015-09-28 09:07:04 | 日記
                     そーせいじ



                 たたあるなかで
                 ただ
                 あなただけよと
                 ただただ信じた



                 あなたは
                 にこにことわらっているが
                 その手に
                 アメ



                 仕組まれた
                 毒アメ



                 大笑いの口には
                 矯正の銀色の歯がむき出し
                 研いだ牙に見える



                 縛りつける縄で
                 1枚1枚はぎ取り
                 稲穂の実る
                 畑の風景を
                 荒れ地に変えていく



                 田園は
                 牧場へ
                 焼き印をつけられた
                 おとなしい
                 養豚
                 

                 そーせいじ
                 くるまれたミンチ
                 
                 




掻く

2015-09-25 11:09:23 | 日記
                      掻く




                   秋の陽は
                   やさしくない
                   ちりちりと
                   刺す




                   午後8時の人生は
                   とっぷり暮れ
                   コーヒーを
                   味わっているころなのに
                   午後の日差しが
                   やってきて
                   汗くさいシャツになってしまうのだ



                   太陽のまぶしさを浴びて
                   その白い光にめまいを起こし
                   自分を見失ったのは
                   そんなに陽が当たらなかったものでも同じか
                   光を自分が放ったものだと勘違いして
                   傲慢になりはしなかったか
                   


                  
                   どこまで
                   どのようにして
                   学び続け
                   この土を掘り進めていくのか
                   ちっぽけな自分だと気づいたときでも
                   この手で
                   ありの足のように
                   地球を
                   掻いていけるだろうか
                   



                   

ためいけ

2015-09-24 14:32:46 | 日記

                      ためいけ




                  つーんと
                  頭の中を
                  わさびが
                  通り




                  動け
                  動け
                  と
                  刺激する





                  秋風は
                  さわやかなのに




                  ぐるりと
                  気分の
                  悪さが
                  うずを巻き
                  1日を
                  まるまって
                  地球外生物になり




                  暗いくらい宇宙を
                  さまようのだ




                  季節の
                  あいだを
                  はあはあと
                  またいでいる



                  青い空なのに
                  ためいけは
                  泥水
                  



                     

叫び

2015-09-24 11:16:54 | 日記


                    叫び


                曲がっていく空に
                向かって
                叫ぶと
                


                あなおそろしき
                大きな真っ赤なかきが
                落ちてきて
                空には
                しろいしろい
                穴がでてきたんだ



                ムンクは
                曲がりくねった赤い空を描いた
                耳をふさぎ
                「あーー」と叫び
                ひとは
                シルクハットに杖で
                黙って歩いていく



                叫びは
                ひとりのものではなく
                99%の
                貧しき人の声でなければ


                痛ましい
                さまよう人は
                あのモノクロのフィルムの中だけではなく
                今も続いている
                ということ
                を教えているのに
                


                同じ四角の映像は
                だましもするのだ
                ということ
                を誰もみるまいと思いながら
                映し出している


               
                嗤っている珍獣
                1%