ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

大雨のふるさと

2024-05-29 21:15:46 | 日記
                     大雨のふるさと
                  

                 またひとり逝き
                 なつかしいひとになりました

                 私たち兄弟の一番上の
                 兄のような
                 母のいとこ

                 まだ
                 そこにいて
                 笑い声が聞こえてくる

                 長い施設の生活は苦しかっただろうか
                 いつでも
                 したって来る人たちに囲まれて
                 先頭にたっているひとだったから
                 世話になってはいられなかっただろうに

                 痩せた頬が
                 自宅に戻ってきたら
                 ふっくらしてきたよ
                 と
                 おばさんがつぶやいた

                 ふれていいかな
                 と
                 おでこと頬に触れたら
                 なぜか
                 照れているようにみえたのだよ

                 ひとり逝き
                 ふたり逝き

                 のこったものは
                 後ろを振り向き
                 
                 のこされたものを
                 抱きしめることが
                 供養なのか

                 写真の笑顔に
                 涙を
                 ぬぐい

                 大雨のふるさとを
                 あとにして
                 いま
                 かえってきました
                 
                 


               
                 


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