ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

迷宮

2017-12-30 23:19:01 | 日記


                   迷宮



                まばたきの
                一瞬を
                過ごす
                


                時間



                もうすぐ
                また
                カレンダーをちぎり
                時代を
                渡る


              
                滴り落ちる
                水道の蛇口の一滴



                ぽたりぽたり
                の
                動いていく
                針の揺れ
                その針先
                の
                行方を追って
                いきているつもり
                の
                迷宮
                の
                住人
            

                
                 …しらとりはかなしからずや

                  そらのあお うみのあをにもそまらずただよう              

                





玄米ご飯

2017-12-25 21:37:12 | 日記

                       玄米ご飯



                 毒キノコ
                 姿かたちを変え
                 シイタケ
                 普通にシイタケ
                 混ぜご飯



                 朝
                 目を覚ますとき
                 みえ方
                 み方で
                 三角が
                 四角に変わり
                 不安な
                 灰色雲が
                 靄の中に消えゆく



                 
                 長い道のりも
                 振り返ってみれば
                 何のことはない
                 すぐそこの
                 畦道、路地
                 100mの
                 短距離走



                 小学校1年生の
                 50m競争が
                 なぜかいやで
                 気分が悪いといって
                 逃げたっけ
                 それから
                 責任回避の
                 逃げ道の迂回路



                 同じ路地をくるくる
                 迷い道



                 ハムスターの
                 くるくる
                 同じ輪っかを走る
                 忍耐
                 


                 こんなふうに
                 節目節目を潜り抜けながら
                 繰り返しを
                 噛みしめるってものが
                 

                 噛み砕くってことか


                 朝の玄米ご飯

変調ー青空、ひとりきり

2017-12-22 20:52:47 | 日記

                    変調ー青空、ひとりきり



                 青空が広がっていたので
                 空を見上げて
                 深呼吸した




                 白い雲が一つ
                 小さな綿
                 



                   キーンと
                   大きな轟音を立て
                   耳をつんざく
                   


                   破れた太鼓
                   ちりぢり
                   はちきれた



                   路地で
                   座り込む
                   スーパーの裏通り
                   剥がれた壁に
                   段ボール箱が
                   雨に何度も打たれ
                   捻じ曲がって
                   乾いている



                   青空に
                   ファントム
                   や
                   奇妙な形をした
                   ヘリの奇形



                青空が広がり
                風がなぎ
                白い雲がぽかり、ぽかり



                空を見上げて
                ひとり
                こぶし
                

立位

2017-12-20 23:48:17 | 日記

                     立位



                 小さな島の
                 小さな村に
                 暴風雨が
                 吹き荒れ
                 木々が
                 右に左に
                 大きく揺れ
                 


                 暴風雨は
                 槍の刃先
                 突き刺し
                 削り取り
                 海も荒れ狂い




                    やさしいひげは
                    剃り落され
                    結った長い髪は
                    切り落とし
                    その口元から出る
                    言葉を奪い
                    もの言わぬ舌
                    舌切り雀


                    すずめやーい
                    すずめやーい
                    すずめはどこにいった


                 
                 暴風雨の目は
                 突き抜けると
                 青空
                 無風
                 天空に向かう筒



                    一ミリの前進
                    その前進のために
                    ここに立っている
                    
                    
                 

めーでー

2017-12-15 20:51:25 | 日記


                  めーでー



               怪物が
               のっしのっしと
               今まで隠れて
               いないふりをしていたのに
               

               のっしのっしと
               隠れようともせずに
               大きな顔をして
               高笑いして
               歩いている
               背中の籠に
               小さな子の指に握られた
               10円玉をも
               奪いとって
               籠の中に
               拾い集めている



               拾い集めた金で
               怪物は
               何を買うのか



               めーでー
               めーでー


               仕事帰りの
               夕焼け空に
               その物体は
               おなかを見せてあらわれ
               轟音を立てて
               コンビニの屋根すれすれに 
               飛んでいくのだ


               めーでー
               めーでー


               ふつうの空が見たい
               オレンジ色の
               太陽が
               海に
               しずかに
               落ちていく


               めーでー
               めーでー


               空に
               星がきらめいても
         

               めーでー


               この空は
               めーでー

               
               轟音の星空