ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

メビウスの輪

2016-03-31 16:25:04 | 日記
                    メビウスの輪




           3月よ
           さようなら
           温かになり始めた風が
           記憶から消えたと思った
           あの3月を思い出させてくれた
           3月は
           別れと出会いと
           また出会う季節だ
           さようならはない
           巡り巡って
           メビウスの輪
           いつでもつないでいる輪には
           さようならはない




           時間の渦の中で
           くるくると
           回っているうちに
           わかってくることもあるさ
           と
           さようならは
           いわない



           
           温かくなった風の中で
           緑や
           花の香りが
           漂って
           くるくると
           舞っているよ



           
           3月の風は
           いつも新しい           

動揺

2016-03-30 08:56:54 | 日記

                         動揺




               ドングリコロコロ
               ドンブリコ
               御池にはまって
               さあ たいへん
               ドジョウがでてきて
               こんにちは
               ぼっちゃんいっしょに遊びましょ





               鈍繰り コロコロ
               丼ぶりこ
               おい 毛にはまって
               さあ 太平
               土壌がでてきて
               今日 は
               ぼっちゃん と一緒に遊んではいけません




               火の車の
               火の元では
               火遊びを準備しているので
               あっちこちに
               飛び火している
               矢が
               自分のところにもくるぞうー
               世界は
               なぜ
               火だるまになろうとするのか




               ささやかな日常のなかで
               小さな毒茸がはえ
               もはや
               それは目に見えるほどおおきくなっているのか



               胞子が飛んで
               かすんでらあ
               




            

篆刻

2016-03-29 09:22:05 | 日記

                
                 篆刻




            5年の月日は
            石に刻んだ
            文字



            刻みがたい石に
            ゆっくりと
            すこしずつ
            いたみを背負い
            書く文字




            でてこない言葉を
            ギザギザと
            ギシギシと
            綴る文字



            涙があふれるには
            硝子のコップに満たされた
            水に
            1滴の
            水道水が
            落ちるまでの
            スロモーションの時間が
            必要で



            
            落ちた水滴に
            水面が動き始まるまで
            長い長い時の中を
            泳ぎ



            ずぶ濡れの
            髪を乾かすタオルを
            巻き付け
            拳を
            握り締め



            そして
            拳を
            空高く
            突き上げるのだ
            
           

さみしい未来

2016-03-25 10:52:35 | 日記

                   さみしい未来




              雲の行方は



              暗雲たれこめているのか
              春なのに
              冷たい雨
              しとしと
              動かずに
              黒々と
              とぐろをまき



              桜は
              つぼみのままに
              春の雪に
              重たくうつむき




              世界が
              渦の中
              明らかになり
              便利になったぶんだけ
              複雑に
              戸惑い
              素直な
              感情を
              押しつぶし



              ひまつぶしの
              絵空事の
              景色と
              おいしそうなごちそうは
              もはや
              破れた
              ぼろの旗
              なのに
              離しはしない
              食あたりの中毒



              懐かしい景色は
              独りよがりのセンチメンタルなのか



           
              変わりゆく高層ビルと
              むきだしの山肌に
              無残な21世紀の
              汚物と思うのは
              


              美しい景色を
              かみしめないからか



              さむい春が
              こころを縛る
              





              

充電

2016-03-21 09:50:16 | 日記
                   充電




             うりずんの
             空はかすみ
             風はゆっくりとながれ
             

             凪
             無風ではない
             


             彼の岸部は遠くへ押しやり
             やるべきこと
             やらねばならないこと
             を
             掘り起こして
            



             しばし
             静かな時間を過ごすのだ



             暑い夏の前に
             


             ちからをためている