ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

慰霊の日に -はたちのかあさん-

2014-06-27 15:46:56 | 日記

                       はたちのかあさん-慰霊の日に-




                    かあさんの
                    70年は
                    はたちのままで
                    丸坊主の
                    男物の
                    軍服で
                    小禄と
                    摩文仁の間を
                    さ迷い歩き



                    煙と水蒸気に
                    気を失い
                    頭の傷あとは
                    消えなかった



                    ひとりを十分噛みしめ
                    ベッドに横たわっているときも
                    ひとりで
                    痛さと
                    動けない自分を耐えた


                  
                    かあさんの
                    はたちは
                    砲弾と
                    豪雨の中


                    小禄の山で
                    白くて
                    黒い
                    人の集団を
                    じっと見つめていた


                    私の知らない
                    写真の中の私に似た
                    はたちの
                    かあさん
                    
                    
                    

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。