5月の空
5月の空は
不機嫌に
晴れたり曇ったり
時折雨
風薫るはずが
疾風怒涛の
通りの
雨風
大きな地図の
塗り替えに翻弄され
どこに行くのか
広大な国で
手を広げ
指をさしつつ
演じた美しい言葉は
どんなふうに
訳されたのか
類美豚の
おいしそうな足には
コンドロイチンが光って
いまに
串刺しの
焼き豚に
なっちまうのか
テレビにうつつを抜かしている間に
取り囲まれた
戒厳令の夜が
開けるのかもしれない
夜を突破して
夜明けの
薄明りをつかみ
清浄な
風の薫る
5月に
この手の中にある
何もない普通を
手放すことがないように