ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

5月の空

2015-04-30 09:57:45 | 日記

                          5月の空



                 5月の空は
                 不機嫌に
                 晴れたり曇ったり
                 時折雨



                 風薫るはずが
                 疾風怒涛の
                 通りの
                 雨風




                 大きな地図の
                 塗り替えに翻弄され
                 



                 どこに行くのか
                 広大な国で
                 手を広げ
                 指をさしつつ
                 演じた美しい言葉は
                 どんなふうに
                 訳されたのか



                
                 類美豚の
                 おいしそうな足には
                 コンドロイチンが光って
                 いまに
                 串刺しの
                 焼き豚に
                 なっちまうのか




                 テレビにうつつを抜かしている間に
                 取り囲まれた
                 戒厳令の夜が
                 開けるのかもしれない




                 夜を突破して
                 夜明けの
                 薄明りをつかみ
                


                 清浄な
                 風の薫る
                 5月に



                 この手の中にある
                 何もない普通を
                 手放すことがないように

                 

この道

2015-04-20 11:40:03 | 日記
                      この道




                  106.6㎞の半分の長さ
                  南へ
                  南へ
                  

                  首里を通り過ぎ
                  南下する
                  靴は
                  すでに穴があき
                  そこらに転がっていたものに履き替え
                  足裏に
                  家族への
                  お土産の札は数枚



                  カーキー色のズボンに
                  泥にまみれた上着を羽織
                  丸坊主の頭で
                  南へ



                  南風原の十字路で
                  立ち止まった
                  腹が膨張した躯が
                  重なり合って
                  横たわっていたから
                  こうなってはいけない
                  どこで死んだかわからない
                  と
                  親不幸だから
                  せめてわかるような 
                  壕へ
                  南の
                  医務隊のある
                  壕へ
                  南へ



              
                  長さ106.6㎞の半分で
                  人生を終わった人々が
                  物語を語ることもなく
                  土になっている


 
               
                  あんたたちが
                  飲み食いと
                  観光に
                  走る道に
                  かつて
                  逃げ惑った人々の
                  命が
                  折重なって
                  ねている





                  長雨で道がぬかるむと思い出すんだよ
                  

                
                  
                
                  

応援団

2015-04-17 15:59:23 | 日記

                     応援団



               アウェーで
               ド真ん中へ
               攻め込む



               愚直に
               ストレート
               真っ正直に




               わからないだろうね
               なんでも強制執行
               対話の写真が効果的か




               アウェーで
               取り囲まれても
               剛速球




               応援団は
               まわりを
               固めている
               
               



               
               
               
               

物申す

2015-04-16 14:45:35 | 日記

                           物申す     



                なにをかいわん
                十文字固めかえ




                卑怯なお方たちどすなあ
                海の碧さをおまもりしたいと
                ゆーとるだけどす




                そんな
                お偉いさんたちが寄ってたかって
                海の上に
                えげつのー鎖いれておいでで
                エメラルドグリーンのきれいな海
                汚しおって
                なにが
                ほしゅーて
                そんなお方の味方などしはるんどすか



               
                お仕事ですさかいに
                仕方のーなさっておいでどすか
                涙で苦渋の選択でおますか



                なんで
                普段のように
                まあまあに
                しなはれ



                言葉つつしみなさって
                お仕事さぼりなはれ



                なあ
                そこのイケメンの猿のおにいさん
                

さらさらと

2015-04-16 10:21:57 | 日記


                          さらさらと



                さよなら
                ぼくのロマンよ
                浮かんでは
                流された笹船よ




                笹船は薄っぺらで
                飲み込まれやすいから
                もう少し
                図太い
                いかだにしようと





                さよなら
                ぼくの独りよがりの
                やさしさよ
                ぼくぼくと
                がんじがらめの
                とらわれ人から
                鎖をほどいて
                そのまま
                つるりと
                うまれたばかり
                声を挙げよう



                さよなら
                重しのかかっていたこころよ
                


                桜吹雪が舞うように
                さらさらと