ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

四角いうずまき

2022-06-29 13:21:46 | 日記
                        四角いうずまき


                    くるくる
                    ぱー
                    くるくる
                    と
                    まわる
                    
                    おさえられない
                    くるくる
                    と
                    くるおしい
                    うずまき
                    
                    あのね
                    うずまきぱん
                    3種類
                    それぞれのパン屋さんで
                    クリームが
                    それぞれでね

                    甘さも違う

                    くるくる
                    と
                    くるおしく
                    いれかわる

                    いきていればこそだってさ
                    こんなふうに

                    ことばに
                    してみる

                    はじけさせない
                    四角四面
                    の
                    両親のせいにしている
                    四角四面
                    の
                    正四面体

                    転がらない
                    
                    もどかしさ

乾燥地帯

2022-06-27 09:19:10 | 日記
                        乾燥地帯

                   帰れない道を歩き始めてから
                   それぞれの道
                   かわいそうも
                   かなしいも
                   なくて
                   そうか
                   そういうことなのか
                   と
                   まだ知ったかぶりは
                   しない
         
                   いつも
                   胸の奥で
                   雲
                   積乱雲
                   夏の雲は
                   スコールを呼び込む

                   向こうの国は
                   空さえも
                   煙が覆い
                   胸もふさいでいる

                   眼も覆い

                   写真展    
                   50年分の
                   沖縄
                   150年分の
                   琉球の姿

                   胸が苦しくなって
                   エスかレターに
                   しがみついて
                   
                   外は真夏
                   光がはじけ散って
                   違う世界のようで

                   色がなく
                   あたりは
                   乾燥して

                   かさかさ

わがヒストリートⅡーゲート通りでー

2022-06-21 21:50:18 | 日記

                       わがヒストリートⅡーゲート通りでー


                    真っ青な空
                    痛い日射し

                    もうない
                    叫び声
                    ほんとにヒストリーになってしまったか
                    あの日から
                    きょうまで地平線は続く
                    
                    日射し
                    じりじり
                    痛い

                    いまでも
                    食いつかれている
                    あの懐かしい赤瓦は
                    コンクリートの建物に乗っかり
                    
                    この街は
                    成長を止めたという
                    哀しい言葉だ
                    あの市場のよう
                    真っ暗なアーケード
                    閉じたシャッター

                    大きな怪獣にいまも踏み荒らされている

                    むかしブルトーザーと銃剣
                    いま大量の消費と
                    慣れてしまって普通になった風景
                
                    忘れ去られた過去と無関心

                    故郷は
                    まっすぐにこの道をたどると
                    姿を現す

                    松林ともくまおうのゆれる
                    
                    故郷がさびしく
                    哀しいのは
                    むかしをなくしたから
                    
                    なくしたふるさとを
                    あのヒストリートに
                    ひろいにいこう

                    変わってしまいながら変わらない
                    なつかしい故郷

                    
                    

ひだ

2022-06-19 21:30:13 | 日記
                           ひだ

                     ひだひだが減って
                    のっぺらぼー
                    
                    大雨がやんで
                    太陽の日差しが射した午後
                    制服のスカートのひだがとれて
                    フレアスカートになってしまい
                    恥ずかしくて
                    歩けなかった

                    あの日から
                    うつむき
                    
                    ひだひだがなくて
                    何も思わない
                    なきべそもかかず
                    ひとりごと
                    討論会は
                    テレビの中と外
                    反応はこだまにもならない

                    ひだひだ
                    両親と兄をなくして
                    それを心にたたんで
                    扇子折
                    さみしさと
                    ふいにでてくる涙を
                    ひだひだにかくして

                    のっぺらぼーのつもりが
                    面の皮
                    しわしわ
                    しわ(心配)しすぎて
                    顔にもひだひだ
                    ひだにさみしさをかくして
                    目を閉じて
                    だれにもわからないように
                    さとられないように

                    ひだひだ
                    ひたひたと
                    しのびよる

                    しのぶ時間
                    しのぶれど
                    いろにでにけり

                    ひだにかくした
                    しみでた
                    しみ
              

                      
  
                    
                    

6月の声

2022-06-17 21:53:24 | 日記
                        6月の声


                     もうすぐ
                     もうすぐ梅雨が明ける
                     ずぶぬれの景色は
                     鮮やかな緑と青になり
                     昼間のまぶしい光の中で
                     輝くだろう

                     真夏には
                     じりじりと照りつける
                     太陽と
                     わしわしとなきわめくせみと
                     いっしょに
                     秋を待って

                     夕暮れの
                     長い影
                     短い冬の
                     うつむくすすきを
                     闇が包むとき

                     あの嵐の日々を
                     再び思い出すのだろうか

                     横殴りの大雨
                     大雨の中でずぶぬれになっていた人たちは
                     もういない

                     写真の向こうで
                     黙ってみている

                     いえなかった言葉を
                     後悔しないように
                     
                     言葉にしなさいと
                     聞こえない声で
                     つぶやいている