モノクロームの写真展
街の片隅の
小さなギャラリーで
壁に並んだモノクロームの写真たち
今日までの連続する
声が聞こえてくる
嗚咽とうめき声と
怒りと
握ったこぶしが
空間を破って
迫ってくる
胸を突かれて
涙が
零れ落ちそうになった
夕方
秋になりかけた風に吹かれて
パタパタと
大きな2本の旗が見下ろしている
威圧している
シャッター通りの
まばらな日曜日
えぐられて
変わりゆく風景に
かくされて
変わらない毎日
「むかしタオルにヘルメット
いまは
むこうがわの大量の紺色服が
サングラスに白いマスク」
おばあの痛みが
プラカードを掲げる