ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

昼咲き月見草

2022-04-26 23:52:09 | 日記
                        昼咲き月見草

                   青い空
                   すでに5月の風が
                   そよぎ

                     ふた
                     重いマンホールのふた
                     が
                     覆いかぶさって
                     身動きが取れない

                     遠い向こうの国の黒い煙は
                     ここまで
                     到達し
                     
                     このままでは
                     守れません
                     壕をつくりましょう
                     いえ
                     積極的に
                     抑止する脅しをかけましょう

                     蔓延防止は
                     病だけではなく
                     戦も防がなければならない

                     陣取り合戦は
                     よくわからない
                     そこまでして横取りするのか
                     
                     ニュースがおそろしいから
                     手のひらで隠して
                     指の間から
                     専門家の解説をみているよ
                     よどんだ目
                     
                     かくさんすけさんが
                     沖縄においでになったら
                     本土決戦はまたまたまぬがれるだろうよ
                     それこそ
                     おきなわちんぼつで
                     小さな島がなくなっちまわないか
                     心配で心配で
                     夜眠れずに
                     昼間に居眠りをしているよ

                     だから
                     ちょーじかちょーじか
                     あっと
                     これは地震のときのまじないだった

                     くわばらくわばら
                 
                   もう
                   夢が色あせて
                   わくわくと
                   スキップする
                   
                   子ども心が消えかかって
                  
                   5月の昼咲き月見草が
                   庭でゆれている
                  

                     
                     
                     

清明(しーみー)

2022-04-16 22:23:50 | 日記
                        清明(しーみー)


                    暗い穴
                    そこは安住の地か
                    それとも
                    もう一度よみがえるための
                    準備の途中か

                    思索をするための
                    引きこもりの
                    穴蔵か

                    もういない人のために
                    祈りをささげ
                    線香を手向ける
                    白い花は
                    いつでも哀しい

                      きょうは
                      白い花がなかったので
                      桜色の花を供えました
                      やすらかに
                      冬のような4月の風
                      穏やかな光の中で
                      
                      見送りました
                      ふたりの兄

                  
                      

やっぱり、あなおそろしや

2022-04-12 22:56:13 | 日記
                        やっぱり、あなおそろしや


                    どこへ
                    わからなくなった道の途中
                    案内板はない

                    あちこち
                    焦げ臭くて
                    ちろちろと火種が
                    画面の中だけと思っていたら
                    落ち着かないのだよ
                    お尻に火がついているようで
                    焦げ臭いのだよ

                    良心とか道徳とか
                    うそ臭くて
                    やっぱり臭いのだよ
              
                    おいしそうな料理も
                    脂臭いのだ
                    悪い脂
                    
                    体を痛める
                    蝕む
                    溜まってつまる

                    ちろちろ
                    体の中に火がついて
                    今にも火事になりそうで

                      あんたのものはわたしのもの
                      わたしのものはわたしのもの
                      わたしの考えていることは正しく偉大なので
                      従いなさい
                      むかしはきょうだいだった
                      同じ親だったよね
                      だから
                      いつまでも傍にいなさい
                      くわしてやる
                      まもってやる
                      そとにでていくな

                      いうことをきかないと
                      ぶつぞ
                      ぶってもきかないなら
                      みなごろししてやる
                      だから
                      踏みつけたこの足元にひれふせ

                    わからない
                    やっぱりわからない

                    やっぱりおそろしや
                      


 

記事

2022-04-11 23:28:24 | 日記
                       記事

                    0411が
                    0110になって

                    ということは
                    まとめるといいのかもしれない

                    0412は
                    はるか遠い
                    父を見送った日なので
                    忘れることができない日なので
                    鮮やかに
                    その白い病室がよみがえるので

                    きょう
                    庭のぼーぼーとはえている
                    名があるはずの雑草をむしって
                    無心にむしって
                    むしってはちぎり
                    ちぎっては
                    かき集めて

                    振り返っては
                    過去を
                    むしかえし
                    むしかえし

                    蚊が
                    追いすがってくるので
                    払いのけて

                    こうやって
                    吸血鬼を追い払えばいいと
                    はたっと

                    きづいた

                    書くことが決意表明なのだと

                    

えくれあ・えぐれあ、えぐれるきず

2022-04-08 23:22:53 | 日記

                        えくれあ・えぐれあ、えぐれるきず


                    
                    春は
                    どこに
                    いった
                    
                    何を信じたらいいのか
                    黒こげの風景
                    
                    風景は捏造だと
                    ダリの絵より
                    ねじれている

                    上は下で
                    右は左で

                    めまい
                    もう
                    正しい風景はどこにもない
                    あるのは
                    かき乱された
                    凪の
                    大地
                    逆さになって
                    つるされた
                    かみ

                    あなたのかみ
                    かみも仏も
                    涙はなく
                    血にさえ無感動
                    ひとは
                    そこまでもできるのか

                    くにとか
                    わがそこくということを
                    口走るとき
                    もうすでに
                    目は血走っている
                    充血の
                    ものもらい

                    いたたまれず
                    背を向けて
                    いる
                    イルージョン
                    ジョンの魂

                    魂は
                    突然たたれて
                    うめいているよ

                    よをはかなんで

                    なんでそうなったのか
                    かのひとは
                    どのような脳みそを持っているのだろうか
                    かのひとが
                    やーめた
                    といってしまえば
                    終わるのに
                    終わっても
                    でも傷は深い
                    えぐれている