ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

もういちどはたち

2020-08-25 21:29:58 | 日記
                           もういちどはたち

                      朝
                    
                     台風の名残の突風が
                     秋風をつれてきた
                     暑さの中のひとすじの涼やかな風

                     ぎゅっと
                     にぎられたままの
                     この手は
                     逃げるのはよそうと
                     宙を
                     つかみ
                     こぶしを創ってみる

                     再構築の時間

                     本を一冊
                     「二十歳の読書論」
                     いまさらはたちも何もと
                     思いながら
                     突き刺さる言葉を
                     そのまま留めながら

                     もう一度
                     はたち
                     成人式
     
                     頑張れ
                      自分
                     
                     
                     

未必

2020-08-21 20:01:52 | 日記
                     未必

                  地球が回っている
                  ということは知っているが
           
                  地球の上の自分が回っているなんて
                  身の置き所がなく
                  おろおろと
                  
                  最近なかったのに
                  突然の無重力
                  縦も横もなく
                  のた打ち回る
                  この世界から放り投げられ
                  地面が消えた

                  なんだったのか
                  脱皮
                  
                  周りが
                  新しい景色
                  輝いている

                  あーそうか
                  特別な夏の
                  昔から地続きの
                  踏みつけられた夏の
                  ソテツ地獄の
                  沖縄の
                  暑い透き通る空

                  リュウゼツランの
                  尖った葉さき

                  この葉さきを
                  誰に突き刺そうか

                  未必の故意

                  
              
                      

                  
                 

ためいき

2020-08-17 23:26:54 | 日記
                        ためいき


                    きみを追いかけて
                    走り続けたつもりが
                    
                    いつも
                    きみに追いつかず

                    いつのまにか
                    きみは
                    はるか遠くに
                    去っていて
                    目を閉じて
                    その背中を見ていなかった
                    のだと
                    おろかな自分に気づいて
                    
                    走ってきた時間があっというまに
                    過ぎて
                    背中は幻で
                    ゆらゆらと消えていく
                    かげろうだったと

                    いまさらのため息をついている
                    
                    飛沫する春の日
         
                    
                    

おんち

2020-08-17 22:48:29 | 日記

                     おんち    


                  空は真っ青に輝いているのに
                  晴れない

                  雲は真っ白なのに
                  灰色が覆って
            
                  真っ黒な服を着て
                  年下の親戚のお別れに行きました
                  
                  マスクで顔の半分を隠し
                  その列に
                  並びました
                  おばさんはどんなに悲しんでいるのか

                  声がかすれて
                  うまくうたえません

                  うまくうたえなくても
                  うたわずにはいられなくて

                  音が外れていても
                  まいにち
                  まいにち
                  
                  うたうさ

                  逆立ちして
                  どこにいるのかわからない
                  非日常が日常の
                  あの日々だって
                  必死に乗り越えてきたのだから
                  
                  
                  

                  

                  
                  
                  

燃えている夏

2020-08-11 20:42:29 | 日記
              燃えている夏

                   地球は
                   高熱で
                   コロナ感染
                   だいじょうぶじゃない
                   息も絶え絶え
                   呼吸がしづらい
                   
                   あちこち
                   炎上の
                   大火災

                   顔が引きつり
                   こころかたまり

                   火事に水をかける
                   焼け石に水
                   ちょろちょろの
                   すぐに凍ってしまう
                   水の冷たさ

                   思うことを
                   声にすると
                   囚われるという
                   もう対岸の火事ではない
                   
                   硬直の姿勢

                   でくのぼうよりも
                   無能
                   
                   新しく古い
                   原理原則

                   二度あることは三度ある
                   おんこちしん

                   ふるきをたずねて
                   あたらしをしる

                   焼きぼっくいのひ

                   ひえーと絶叫する毎日