まぬけ
ひととひとの間に
生まれ
ひととひとの間で
あやされたり
ぶつかったり
間をぬって
あるいたり
手をとり合ったり
抱き合ったり
反発したり
ののしりあったり
ひととひとの間で
どれだけの距離をとればいいのか
わからなくて
近づきすぎて
怒鳴られたり
つめをつきたてられて
血だらけにひっかかれたり
ひととひとの間で
どんな思いでこちらに向いているのか
わからなくて
ほほをひっぱたたいて
背を向けて走り去ったり
お互い様の
ひととひとの間
間合いもとれず
間が抜けて
ひととひとの間に流れる
ともに同じ時間を生きているという
この感じがあやふやで
簡単に人間ていいななんていえなくて
ひととひとの間の距離は
時間と空間と
尽くした言葉の数々と
沈黙に耐えられるほどの
ひととひととの関係を構築する努力が決めるのではないか
と
にんげん嫌いと思っている
ひととひととの間を右往左往している
わたしという
まぬけ