ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

不当な・・・

2018-10-31 23:58:14 | 日記

                  不当な・・・


               暗闇の中
               空遠く
               ヘリの音



               小さな町のクリニックの上
               空より
               近く
               オスプレイの
               鉛色の
               腹



               青い空
               碧い海
               の
               癒しの島
               は
               憂いの島
               
            


               土砂
               赤土
               無残な丘
               

               
               なにものかに 
               むしゃむしゃと
               食いつかれて


              
               だれもいない島のごとく
               とりあつかわれている


               
               りゅう
               だく
               きゅうたい
               の
               しまよ

               
               

私は悲しい

2018-10-29 23:34:55 | 日記

                  私は悲しい


               ことばが
               ぷくぷくと
               浮かんでは消え
               消えては浮かび



               回路は
               どこでつないでいるのか



               悲しいのは
               普通にできたことが
               できなくなったからではなく
               今まで積み上げてきた
               ものが
               がらがらと
               壊れて
               瓦礫の山になったこと


          
               寂しいのは
               ところてんの
               押し出されていく
               さまで
               経済的姥捨ての
               家族内戦争で
               国家が
               自分ちの家の風情ではなくなっていく
               のではないかという
               恐ろしさが
               ふつふつと
               沸いてくることで


             
               テレビのバラエティ番組に
               わらえないこと
               食べ歩きの様子に
               腹立たしくなること
               ケーキのあふれている図に
               吐き気がしてくること


            
               何かが
               襲い掛かってくる
               という
               妄想の渦が


             
               海に浮かんでいること
                              

俯瞰する

2018-10-29 23:17:09 | 日記

                 俯瞰する   



                ぽとり
                落とした
                ジグソーパズルの1片



                風に
                舞い上がり



                高い空で
                ひとまわり


                
                いくあてなく
                風の
                吹くままに
                ゆれて
                浮かび
                木の葉に
                休んでは
                飛んで



                空の向こうに
                さすらっている


                
                居場所なく
                ふわふわと
                

                
                みおろす

ジグソーパズル

2018-10-20 21:46:59 | 日記

                   ジグソーパズル


               さて
               たちどまってみた
               その位置は
               23cmの
               長さの
               歩き方であるから
               たいしたことではない
               と
               うつむいてはいられない
               大切さである



               「ボーッ」と歩いてきたわけではない
               つもりだが
               澄み切った青空の下で
               なにかを
               ぽとりと落としたようで
               後ろを振り向いて
               探しているのだ
               

               胸の奥が
               おしいのか
               さみしいのか
               ぽっかりと
               穴ぼこ



               しくしくと
               しみて
               

               埋めこむ
               ジグソーパズル


               1個
               見つからない            
               
               
               
               
            

田ーブックァ(田んぼの泥)から帰る

2018-10-14 23:21:45 | 日記
                  田ーブックァ〔田んぼの泥)から帰る




               16年前に行ってきた
               目を丸くして
               過去を眺めた
               過去は
               なぜここにいる?
               という風情でこちらをみている
               見知らぬ顔もいる



               整えられた建物に
               収まっているものの顔は
               動かぬ彫像
               あの時輝いていた
               理念の
               額縁は
               形骸化して
               骸骨
               人間の骨の模型が
               そこに立っている


            
               世界が
               大きな波に飲み込まれる
               寸前の
               悲鳴
               ムンクの叫び
               ゆがんだ夕焼けの中を
               ふらついて歩いている


           
               「16年前逃げたでしょう!」
               指さして
               突き刺す
               いや
               そうでもあるかな
               あの時
               雨あられ
               頭の中が泥だらけの
               欲と感情と
               作り上げるという作業の整理ができない
               あのおばさんの
               攻撃を受けて



               私も田んぼの中
               足を取られながら
               泥だらけの中逃げたんだっけか
 


               おかげさまで
               泥を洗い流し
               雑草を刈り取り
               ものいう
               私が出来上がりつつあるよ


               私のあと
               どのような泥を
               誰に投げつけたか
               知りたくもない


               きれいに整理された駐車場を
               スピードをあげ
               今に
               帰る
               途中
 

               きらきらとした
               シャンデリアの下で
               白いカップの珈琲を
               飲み干した