ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

こいうた・・・つづき

2017-08-31 21:06:16 | 日記
                  こいうた…つづき



               これはもう
               時が動き出しているのか
               思い出さないように沈めた
               ものが
               小さく呼吸して
               少しずつ
               少しずつ
               水面に
               小さな風船玉



               いいんだ
               これも
               いいんだ



               時間の川に乗って
               そのまま
               そのように
               このように
               あるがままに



               つるっと
               向けた
               スモモの皮
               

こいうた

2017-08-28 21:20:55 | 日記

                   こいうた


               生きているってことは
               それだけで
               まる

      
  
               生きていりゃこそ
               ってたって
               一日を過ごすことに
               四苦八苦



               色即是空
               って
               唱えてもね


            
               そりゃ
               おなかは空くは
               自分の顔は見えないから
               描いた美人顔に
               重ねて
               歩いてみたいよね



               欲まるだしを
               かくそうとする
               こいごころ





               

               

               
               



 
         
               

8月のあんちゃん

2017-08-28 11:05:59 | 日記



                 8月のあんちゃん



        いたいたしく
        いたましく
        いたたまれない



        あんちゃんの毎日の努力
        30分の朝のお散歩
        庭の草花への水やり
        



        ルーチン



        しかし
        その眼は鈍い光
        身の置き所がなく
        定まらない
        暑さの中であえぐ
        蒸し風呂のような部屋で
        ひとり
        膝を抱えている
        とらわれ
        びとのようだ



        生きていればいい
        とはいえ
        生きることが
        こんなにも
        石ころの山道を
        はだしで歩く
        の
        図



        御嶽山を目指していた
        あんちゃんそのまま
        
                
           

つづく

2017-08-26 23:20:38 | 日記
                    つづく



                 ぼくたちの年月は
                 今年の夏の日差しのように
                 ぎらついて
                 辺りを焼くほどに
                 熱かっただろうか



                 眼が痛いほど
                 風景が
                 やけに明るくて
                 陽炎



                 ゆらゆらと
                 遠い記憶の中に揺れている


                
                 お前に会いたくて
                 走る
                 道は
                 どこまでもあると
                 思っていたのに
                 バトンを
                 渡さなければ
                 みえてこないとは
                 うかつだった



                 窓辺で見ていた
                 あの日の雨粒が
                 いまだに
                 続いている



                 つかの間の夢の続き
                 
              
 

けんこうそうだん

2017-08-22 23:21:57 | 日記


                    けんこうそうだん



                そのおばさんの
                口元を見ていた
                とーとーと
                のたまう 
                自分の知識
                たぶん
                たいそう一生懸命に
                覚えこんだ
                のうはう



                これを
                とくことで
                どれだけ健康ということの大切さが
                わかるのだろう



                びょーいんに
                誘導するための脅しにしか聞こえないのだが
                こうなってしまったからには
                びょーいんしかないか
                DO DOで
                盛られていく錠剤の粒
                

                
                貧困と
                飽食のはざまで
                すきっ腹を満たすための
                ごはんのやまが
                細胞という細胞を痛めるという
                現実



                誰も教えない



                びょーきになって初めて身にしみてわかること



                スーパーにあふれる
                食べ物を見ながら
                おもわず
                眼をそむけて
                

                吐き気をこらえているのだ




                検査結果の数字が
                いのちの
                どあい



                きょうのケーキが
                毒物にみえてきた