ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

新・盗賊あらため 屁いぞう

2013-11-29 11:24:34 | 日記
                         新・盗賊あらため 屁いぞう


                    古い壁紙の
                    はがれし
                    わが
                    懐かしき
                    家は
                    巣立った
                    小鳥たちの
                    羽の
                    残り


                    寒空に
                    冷え
                    
                      
                    はらはらと
                    枯葉のごと
                    地に帰る


                    空に向かい
                    せいいっぱいの
                    声は
                    叫びに似たり


                    こんなして
                    こんなんに
                    こんつめて
                    こんしんのちから
                    で
                    立ち向かうべき


                    あきらめては
                    ならぬ
                    ならぬものは
                    ならぬ

                  
                    堪忍ならぬ


                    どんなして
                    どなして
                    どうかして
                    どう
                    かつか

                    
                    恥を知れ
                    おきなわを
                    いつも
                    さつたば
                    で
                    ふりまわし
                    ないふ
                    を
                    つきたてて
                    おどすか

                    ぬすっとめ


                    あくどい
                    とうぞくめ
                    
                   

猫の会議

2013-11-28 23:19:01 | 日記
                        秘密会議                     

                     白と黒の
                     しましまの猫が
                     ゆっくりと
                     庭の奥に消えた

                     
                     白い猫が
                     庭の花壇の
                     端で
                     こちらに背を向け
                     後ろ向きで
                     座っている


                       夜
                       広場で
                       怪しい
                       会議が始まった
                      
                       何やら
                       よく聞き取れない
                       「あのにゃー、にゃー。」
                  
                       赤く光る眼
                       にらんでいる


                       「パトロールはどーだ?」
                       「あちらの家に小さな白猫がかくまわれております。
                        夕方玄関で大きく鳴く声が聞こえてきます。
                        飼い主に合図しておりますようで。」
                       「それは初耳だ。」
                       「あっしらは、鳴き声と時々玄関から
                        飛び出してくる様子は監視しております。」
                       
                
                       「そうであるか。引き続き監視してくれたまえ。
                        忍び足には人間も気づかぬからな。」
                       「がってんです。ついでにあっしらはパトロール地区に
                        おしっこをかけて、印をつけとります。」


                       猫の耳は
                       受信機
                       音のする方向へ
                       耳が動く

                       微細な音を
                       聴きとっている
                       


                       傍受
                       
                       

                      
                     
                     



                     

金槌

2013-11-23 14:38:46 | 日記
                               金槌


                       夢の続きは
                       ブランコの上で
                       ゆらり
                       ゆらり
                       と
                       揺れている


                       ゆりかごは
                       夢のあと
                       天上から
                       蜘蛛の糸


                       みえない綱渡り
                       上がるのではなく


                       試練の海で
                       泳ぎを始める

                       最初は
                       親の背中に
                       しがみついて

                       それから
                       親の背中から
                       海に飛び込むんだけど

                       うまく泳げなくて
                       うっぷうっぷ
                       の
                       立ち泳ぎ

                       泳げると思ったら
                       浅瀬で
                       立って
                       歩いていたよ


                       
                       
                       
                       
  

空模様

2013-11-23 11:16:32 | 日記
                        空模様


                 まぶしい空がにわかに曇り
                 子供たちのいる運動場は
                 夜のように
                 闇が広がった


                 見上げた空に
                 巨大な飛行物体

                 空いっぱいに

                 建物も人も覆いつくし
                 急いでカメラを
                 取りだそうとしたら
                 飛行物体は
                 ゆっくりと
                 こちらに向きを変え
                 巨大な操縦席の窓ガラスは
                 真っ黒に塗りつぶされていた


                 息が詰まった
                 動悸がした


                  
                    朝のゆで卵は固ゆで
                    いつものように
                    お茶を入れ
                    猫の朝ごはんを
                    準備をする

                    胸騒ぎは
                    おさまらない

                    あの飛行物体が
                    チラつくのだ

                    庭の小鳥が
                    さえずっているのに
                    陽の光は
                    温かいのに


                    空に
                    轟音
                    いつもの大通りは
                    車で渋滞なのに


                    ここは
                    ほんとは
                    戦争状態

                    テレビを見ながら
                    見えないものに
                    追い立てられている

                    戦場に


                 

風船

2013-11-17 10:01:35 | 日記

                        風船

                   かあさん
                   
                   30年前に帰ったよ
                   そこにいたのは
                   変わらない
                   学生A,B、C,D・・・
                   わいわいがやがやの
                   「これ食べて、いま、どうしてる?」
                   
                   
                   笑い声も変わらない
                   

                   背中に子亀や
                   苔や
                   時々
                   重石を
                   乗せて

                   
                   かあさんの腕から採血した
                   元学生や
                   検査室で
                   面倒を見た
                   元女学生や

                   彼らだって
                   心臓にペースメーカーが入っていたり
                   

                   父親を亡くしたり
                   母親を自宅で看ていたり

                   多くは言わないけどね


                   かあさん
                   
                   風船のように
                   あっちこっちに
                   ふわふわ
                   安心して
                   飛んでいたのは
                       
                   
                   
                   わがままを許して
                   もらっていたから


                   風船は
                   きょうも

                   ふわりふわり

                   どこへでも