ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

小学校

2022-12-30 22:21:37 | 日記

                      小学校

                   さようならなんて
                   いえない
                   もったいない
                   から


                   するすると
                   あとかたもなく
                   すべてがきえていく
                   から

                   だから
                   書き付けて
                   爪をつきたたて
                   なかったことには
                   しないように
                   記録する

                   風景が
                   消えた後に
                   しまった
                   と
                   後悔したのだ

                   小高い丘の森が
                   消えた後に
                   大事な緑の森だったことに
                   気づいたから

                   朝の清潔な風が森から
                   吹いてきていたのに

                   森の向こうにある
                   小学校が見えなくなっていたので
                   胸の奥にぽっかりと
                   穴が空いたようで

                   スーパーマーケットの
                   建物が
                   目隠しのように
                   胸がふさがったのだ

                   みどりの小学校

                   小さなわたしにあうための
                   小学校

                   小さなわたしに
                   またね
                   いつでも会いに行くから
                   さようならではなく
                   またね
                   

                   
                  

粉塵

2022-12-26 00:12:38 | 日記
                      粉塵

                  画面の中で炸裂する
                  砲弾
                  そして
                  今日の戦況
                  
                  わたしの中でも
                  煙となり
                  粉塵が舞い飛ぶ

                  こっぱ微塵に
                  こなごなになる
                  ことば

                  毎日
                  失っていく
                  あの瓦礫のように
                  崩れていく
                  景色

                  失う

                  あっという
                  小さなうめきさえ
                  でなくなる

                  残酷な光景
                  ことばが
                  粉塵になり
                  
                  黒く
                  空に
                  飛ぶ

                  息苦しい
                        

砂時計ーさらさらとこぼれるー

2022-12-19 22:26:04 | 日記

                     砂時計ーさらさらとこぼれるー


                  時間が流れる
                  ゆっくりと
                  あるいは
                  走るように

                    きょう
                    巻き戻してみた
                    モノクロの
                    過去
                    ずるずると

                    カビた
                    虫食いの
                    本とともに
                    新しかったページの文字は
                    にじんで読めない
                    ところどころ
                    文字が消えている

                 時間は通り過ぎていくので
                 気づいたときには
                 その後姿だけ残して
                 はるか向こうに
                 いってしまった

                    去っていった過去を
                    懐かしく思うだけで
                    この手に残るものは

                    幻
                    さらさらと
                    こぼれる砂
                    

                    
                  

追記ー書き足りなかったことー

2022-12-15 10:30:36 | 日記
                    追記-書き足りなかったことー


                  胸を突き刺し
                  突き破る
                  絵やことばで
                  表現することは
                  ひとを
                  揺さぶり
                  なんらかの
                  感動を生み

                  そして
                  これから生きていこうとする
                  力を与え
                  なにものかを
                  遺していくことなのだ
                  と
                  そのひとはいうのだ
                  
                  表現は
                  暴力性を持つものだ
                  と

                  だから
                  あたま、むねを
                  突き破り
                  
                  殻を破り
                  
                  新しい羽ばたきをもたらす
                  と

                  きょうまでの
                  気分の悪さと
                  居心地の悪い
                  不快さは

                  あなたの与えた
                  現実を
                  すこしでもみることの
                  大事さだったのだろう

                  学びの一端
                  書き足りなかったレポートの一部
                  

                  

その日

2022-12-15 10:18:05 | 日記
                 その日

              その日の
              夕方
              空のあちらの方から
              一羽
              飛んできて
              家の前の電線に留った
              翌日の朝まで

              その日の朝早くに
              一筋の涙をこぼし

              大空へ
              連れ去ったんだ

              真っ黒な大きな鳥

              その鳥がやってきたとき
              夕焼けの空の色が
              暗く
              あたりも暗く

              胸騒ぎがしていた


              その日の朝