ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

終わらない・・・

2016-07-24 20:30:29 | 日記

                      終わらない・・・


                夏の夕方は
                橙色の涙が
                空に流れて
                眼がまっかっか



                青が
                橙に染まり
                紫の
                怪しい縞模様
              

        
                白い線が
                青の中に
                ひかれて
                運動会の準備



                まぶしい光が
                灰色の海のかなたに
                吸い込まれて
                黒の景色



                目を凝らして
                しっかり見ようとしなければ
                みえない
                黒の中のシミ



                不条理


                にやりと嗤う
                そのふさいだ耳と
                閉じた目は
                何を頭に描いているのか



                不可解
               
                

アからニへの変遷

2016-07-22 14:09:09 | 日記

                     アからニへの変遷



                いじめっこが
                高笑いしている


                いじめっこに
                みんなが
                NOという意思の
                声を上げたのを
                無視をして
                


                ずかずかと上り込んで
                そこの大事にしている
                ものを
                切り倒し
                踏みにじったのだ


              
                傷ついたちょうちょをも
                握りつぶして
                そこに
                投げ捨てた


              
                誠意
                大将軍は
                紺色の部隊で固めて
                そこに立ち
                声をあげるものの
                喉をしめつけ
                声を
                握りつぶしている



                この森には
                ちょうちょのほかにも
                いのちたちが
                舞っているものを



                埋め尽くす
                紺の軍は
                かつての
                ア国の代替
                もうひとつの占領の
                国
                
                
                
                                

夏の風

2016-07-11 22:23:41 | 日記

                   夏の風


              夏らしいのだが
              ぴゅーぴゅー


               風は北風
               隙間風



              いままでいたはずの
              ひとがいない
              家には
              北風


              ぴゅーぴゅー
              夏だからこそ


               風は北風
               隙間風


              窓を揺らし
              がたがた



               猫が仏間で
               丸くなっている


             母の膝の上
             家のそこにもあそこにもいる
             母の膝の上

2016-07-11 21:59:57 | 日記

                    葦



                夏ではあるらしい
                隙間風
                ぴゅーぴゅー
                


                枯葉が
                風に
                吹かれて
                


                軽々と
                軽々と
                舞いあがる



                塵芥の
                軽さは
                重さを
                

                忘れ去った
                長年の
                神経のぶつ切り



                あるいは



                物思う葦を
                刈り取った
                結果



                

別冊・トイレの花子さん

2016-07-08 21:43:40 | 日記

                   別冊・トイレの花子さん


              花子さん

              赤い口紅をだし
              長い黒髪をなでながら
              しろい顔をして
              鏡をじっと見つめている
              ながーいながーい時間をかけて
              見とれている
              



              鏡の中には誰もいない
              トイレの花子さん



              すーっと
              姿を消した



             
                 わたしゃね
                 よくわからない
                 トイレで
                 時間をかけて
                 おしろいを塗っているのが
                 すぐにでたいよね



             何も言わずに
             黙々と仕事をこなすのも             
             なかなかえらいものである



                 女子は
                 斜めに上目使いで観察している
                 婿選び
                 なかなか
                 これもえらいものである



            しろい顔の長い黒髪の花子さん
            わたしの別の顔か
            できなかった別の人生
            ここで
            出会う
            もう一人の私