ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

片づける・・・

2012-10-28 17:29:51 | 日記
     

                          大泣き

                    
                    部屋のお掃除は
                    時々
                    荷物を見ないふりしながら

                    部屋の片づけは
                    1年ぶり

                    段ボール箱がさわれない
                    あけたら
                    母の残り香

                    母の看病に使った
                    タオルや
                    残った薬

                    段ボール箱を
                    詰め替えて
                    
                    呑み込む
                    病院で過ごした日々
                    お家で看取った日々

                    波うち

                    水しぶき
                    ざぶーん
                    ざぶーん

                    美しい親孝行でもない

                   「かあさん
                    わたしは
                    ねむりこけて
                    最期を抱きしめてあげられなかった」

                    ただただ
                    「おかあさん」
                    「おかあさん」と
                    呼びかけるだけで・・・

                    湿った性格は
                    しょうがない

                    大声でなけたらいいな
                    大口開けて

                    小さかったころのように
                 

                    
                    

                   
            

笹舟

2012-10-28 13:20:06 | 日記
               笹船
                 
                 時間は
                 河
                 時代を乗せて

                 時代は船
                 船の形は
                 笹

                 笹は
                 変わらず
                 尖った葉

                 葉の色は
                 変わらず
                 繰り返す

                 土に戻りながら
                 竹
                 節を作りながら
                 
                 繰り返し
                 繰り返し

                 節を作る

                 笹船

                 河を流れ
                 
                 笹の葉               
 
                 
                                 
                
              
                 

2012-10-26 22:07:32 | 日記
           はためく

                   ハタハタと
                    そよ吹く風に
                     はためいて

                      その旗は
                      芝生の上

                      風は
                      逆風
                      突風

                   パタパタ
                   バタバタ

                   ばふーんばふーん

                   爆音
                   空の風に
                   逆らって
                   回る
                   暴れる
                   吊り下げる
                    
                   はたは
                    にほん
                     翻弄された
                      芝生は
                       異国

                     フェンスの中の
                      異国なのか
                       フェンスに
                       囲まれた島なのか


                      錆びたフェンス
                       フェンスを見慣れた子が
                        見上げる空

                     ハタハタと
                      一本の旗のように
                      風に絡んで
                      風に
                      巻き込まれて

                      私は誰?


                       

秋風に洗濯物

2012-10-19 22:49:38 | 日記
           洗濯干し

                 秋の風にふかれた
                母と病院に通った道で

                ぼろぼろと
                はなみず

                怖がりの出不精が
                地球の裏側に出かけられたのは
                あなたのおかげかもしれない

                母と過ごした毎日
                仕事場のことや町で起こった出来事を
                話していた
                
                楽しい日々ばかりではなかったけれど
                いっぱい話をしたね

                こんなにも
                柔らかい陽射しの中に
                包まれている

                一歩前に出した
                脚で
                歩いてみるよ

                    よろよろ
                    よろけて
                    うずくまり
                    
                    うずまくこころ
                    せんたく

                    がらがら
                    がらがら

                    ざあーざあー

                    しけたからだ
                    たいようにほしもの

                    乾いた風に
                    ふかれる

                    旅にでたジーンズ
                    と
                    シャツ

                    秋の風に乾く                  

                

                

シュプレヒコールⅡ

2012-10-17 14:37:51 | 日記


                     日付変更線

                  -7時間の地球の上は
                  敷き詰められた四角の黒の石 
                  壁はベージュの厚い石の壁

                   パパ
                   パバロッティ

                   謳う

                  草も木々も
                  夏とも秋ともいえぬ
                  暑さを残した風に揺れ

                   バターは薄い黄色
                   鴨のお肉は黒い
                   白いパンは香ばしく焼け
                   パリパリ

                   甘い甘いデザートに
                   2.5ユーロのお水

                  淡い水色の瞳に
                  Thank you と声をかけて
                  バスを降りるんだけど
                  最後に降りたわたしに不機嫌な目をして
                  Where come  from, ときおー? おおさかー?
                  ときた ガイドさんが Okinawa!と大声でいうから
                  さうす えいりあ と加えてあげた 怒るなよ
                  年寄りの女性の加わったツアなんだからさ

                  眼は口ほどに・・・
                  ぼでぃ らんげーじ さ、わかっているよ
                  いらいらしていた運転手さん、うんと待たされて
                  うんざりしてたんだね、でもさ、その日、ご一行様は
                  体調不良が多くてさ

                  チャキイロノ
                  小さなアジアンは
                  抵抗の色さ

                  キンピカの金色の熟れきって
                  腐れかけた
                  おれんじは
                  もう
                  未来を描く
                  指を
                  なくしかけているよ

                  きらきらした瞳で
                  風の中を
                  翔ける

                  とり

                  日付変更線を飛び

                  地球を
                  めぐる