ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

もうそう

2013-09-28 22:42:29 | 日記
                        もうそう


                  かの国は
                  終わりなき世のめでたさを
                  ことほぎ
                  これ以上に
                  キンピカに
                  あふれる
                  花の都を
                  めざし

                  ばらと
                  酒の日々
                  に
                  溺れることが
                  しあわせと

                  北には
                  煙と
                  たらたらの
                  漏れ水


                  南は
                  轍の怪鳥と
                  えもんかけの
                  鉄クズの巣

                 
                  を

                  それぞれ
                  置き

                  それは
                  最大公約数に
                  すり替えた


                  誰にも知らされない
                  隠された
                  計画書
                  

                  
                  

障子の影絵

2013-09-28 18:10:17 | 日記

                    ゆらり障子の影


                障子に小さな穴が開いた
                指でもう少し拡げてみる

                みえるかな
                もっと
                みえるかな


                目の大きさだけの視野


                最近ね
                暗がりの中
                あっちをみても
                こっちをみても

                指で拡げて見る風景は
                雪がちらつく
                薄ら寒空

                私たちは
                ただただ
                毎日毎日を
                浮かれて
                腹いっぱい
                いっぱい
                喰って

                眠りにつく
                暮らしをしていくのか

                動いている
                時計と
                時代と
                を
                自覚することなく
                

                集金人に黙って
                なけなしの金を渡すこと
                を
                続けていく
                のか
                このまま


                トイレは
                水洗
                流してしまえば
                きれいさ


                流されてくる
                汚れもの
                は
                地下の
                タンクで
                腐食


                臭いものにふたして
                幾星霜

                地上では
                夢見る若者が

                ゆらゆらと
                ゆらゆらと

               
                


                
                              
                
                

ゆでたまごの哀しさ

2013-09-21 15:41:04 | 日記
                           ゆでたまご ぬぅ なちかさ


                     あんねーるし
                     くんねーるし

                     ゆーわからんねーるぐとぅし
                     てれびん
                     しんぶんぬぅん

                     くーてんなーくーてんなー
                     小出しさーなかい
                     ぬーがらーちゃーんねーらんはじ
                     でぃ
                     やすんじやーなかい


                     あったいに
                     かじふちゅるばーよー


                     まがなべぬぅ なか
                     なまたまご いりやーに
                     ゆっくり
                     ゆっくり

                     くーてんなー
                     くーてんなー
                     みじ わかすんばー

                     うり
                     とー

                     ゆでたまご
                     なとーるばー

                     あいえなー
                     わからんうちなかい

                     くちぬぅ なーか
                     ながさってぃ

                     胃酸ぬぅ なーか

                     消化さってぃ

                     はい
                     できあがり

                     血となり
                     肉となり

                     栄養る
                     やしが


                     たーぬぅよー



                      
                       ゆでたまご の 哀しさ


                     あんなことして
                     こんなことして

                     よくわからないようにして
                     テレビも
                     新聞も

                     少しずつ 少しずつ
                     小出して
                     なんだかなんでもない
                     かのように
                     安心してしまい


                     にわかに
                     強風が吹くのだ

                     大きな鍋の中 
                     なまたまご 入れて
                     ゆっくり
                     ゆっくり

                     少しずつ
                     少しずつ
                     水を 沸かしていけば

                     ほら
                     ねっ


                     ゆでたまご(が)
                     できあがって

                     あれまぁ
                     (なにがなんだか)わからないうちに

                     くち の中
                     流されて

                     胃酸の中 

                     消化されて

                     はい
                     できあがり

                     血となり
                     肉となり

                     栄養に
                     なってしまった


                     誰の(栄養)でしょうか



                                            


                     





夕暮れの雨

2013-09-20 23:19:15 | 日記

                         新 よいまちぐさ

                     待ち人こず
                     待ち人現れず
 
                     急ぎ足で
                     道行けば
                     大雨が降り

                     振り向いてみれば
                     そこは
                     過去の
                     足跡
                     泥の
                     靴跡


                     赤い鼻緒
                     小さな足で
                     カランコロン


                     こころも
                     からん
                     ころん
                     と
                     転げている


                     ろーりんぐ
                     すとーん
                     なんて
                     きどってもだめさ

                     
                     転がっている
                     いしは
                     頑固な
                     強固な
                     意思でなければならない

                     なんてね

                     これも
                     意固地

                     地面の上に
                     自分の足の分だけの
                     立ち位置で
                     
                     向かうところに敵なしで
                     超えていけばいい

                     
                     
                     

9月の風

2013-09-17 23:00:34 | 日記
                                 9月の風

                         
                             ぽちの逝った
                             9月

                             9月の
                             雲が
                             流れて
                             連れてきた


                             ぽちの
                             弟
                             白い
                             ねこ

                             のら

                             野原で
                             大泣き
                             「こらー
                             こっちをふりむけー」


                             のら


                             のらりくらりと
                             よたっよたっと
                             声だけは
                             向こうの家までとどく


                             のら


                             やぼったく
                             警戒心だらけの
                             野放図
                             あまり近づくと
                             目を吊り上げて
                             威嚇する

                             ひとりぼっちの
                             さみしがり屋の

                             のら