ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

たんちゃのするるぐぁー

2016-01-28 15:51:31 | 日記

               たんちゃのするるぐぁー



           たんちゃめーぬぅ 浜に するるーぐぁーが
           ゆてぃちゅうんどーい
           たんちゃむしゃむしゃ
            ひやんぐぁそいそい




            弄ぶ手を
            ふりはらい
            邪気を
            ふりすてる



            普通の
            生活は
            普通の上等で
            横一列の歩きを
            拒否するものは
            普通ではない?



            たんちゃめーぬぅはまは
            泥だらけで
            白い砂は
            溝の汚泥



            たんちゃむしゃむしゃ
            むしゃむしゃ食いちぎる
            札束を
            どんだけ
            どんなして
            集めたのか



            普通の
            細い爪に
            たらたら
            たらした
            ろうそくの
            熱い火だるま


          
            普通の下流
            たんちゃはまの
            はるか沖の向こうに
            流れ



            泡立つ
            波
       
            
            するる
            するり



       
          
                                           




            
            



            



        
     

たまねぎ

2016-01-26 16:22:06 | 日記

                  たまねぎ



             なにをかいわんや
             




             いや
             なにもない
             いうべき言葉を
             探し求めて
             宙をさまよっている




             ほどけない
             絡まった糸を
             何度も
             ちょんぎって
             ちょんぎって
             舌切り雀



             すずめや
             すずめやーい
             と
             追い求めてきたものは
             遠い空に
             飛んで行ってしまうから
             


             なにを追っていたのかさえ
             忘れてしまう有様



             様々な
             ものにもみくちゃにされるほど
             こんがらがってもいない



             ただ
             少し
             ほっこりと
             たまねぎをむき
             カレーを作っている間に
             涙してしまったのだ



             たまねぎには
             中身はなく
             たまねぎそのものが
             大切だと
             気がついた
             

         
             寒さの緩んだ
             昼下がりの
             陽のなかで
             

             
             

2016-01-25 15:59:39 | 日記

                 鶏


             ささくれだった
             指先に
             しみこむ
             冷たい水は
             山の上から




             見開いた目の
             鶏の嘴は
             うつむいた地面を
             ついばむ



             つっつく
             つっつく
             小さな餌
             嘴に入るくらいの餌




             あられの冷たさは
             不意打ちではなく
             予想された天候のはず
             それに備えて
             セーターは着たか
             毛糸のマフラーは準備したか
             しかし
             何十年かぶりの
             あられにうかれて
             目の前の餌を
             あられに間違えて
             ついばんでしまった愚かさよ



             見開いた目のはずが
             開きめくら
             だったのか
             事の重大さは
             餌ではなく
             あられの降る
             この
             土
             海
             ではなかったのか


            
             冷たさは
             時の声が
             自分の声だ
             と自覚しないこと
             にある
             のでは
             と
 


          
             あられを
             みずにながした
             残念
             無念
             を
             悔やむ
             闇の嵐をきいている
            
             
            

あられ

2016-01-21 11:27:45 | 日記

                  あられ



            かあさんの
            さびしさは
            わからなかった
            押し殺した涙は
            母の強さ



            半熟の卵は
            責任の重みに耐える
            ための柔らかさ



            寒い冬の
            炒り豆は
            気持ちを落ち着かせるための
            おまじない



            雨の日の
            繕い物は
            子どもたちへの
            贈り物
            


            暑い日の
            汗だくは
            頑張った自分への賞状
         


            運動会の
            父母レースは
            若い自分に戻るための
            エネルギー



            あられが降りそうだよ
            かあさん
            なにもない
            野原だった
            小学校の校庭に



            傘を
            ひろげて
            うらがえし
            寒さを拾ってみるよ

指ひとつ

2016-01-18 16:24:10 | 日記
                 指ひとつ  

                   


            夢うつつに
            ゆらゆらと
            ゆれる
            橋の上



            短いのか長いのか
            赤いと思っていたのに
            赤いのか
            青いのか
            色に染まっていないのか



            灰色
            セピアになった
            きのうは
            橋の向こうで
            手を振っている



            夢見た明日は
            きょうという
            昨日に
            早変わりして
            変わりもしない
            いつもの日だと
            思ってしまったのだ



            置き去りにされたと
            迷子の十字路で
            突っ立って
            じーと
            遠くをみて


            さて
            さて
            と
            歩く方向を
            定める




            人差し指に感じる
            風にのって