ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

迷い道

2020-05-27 13:53:06 | 日記
                        迷い道


                    通りで
                    立ち止まってしまった
                    どこにいるのか
                    道路の真ん中で
                    たらりと
                    冷や汗
                    右
                    左
                    が
                    どこへ向かうのか

                    霧が立ち込め
                    差し示されるはずの
                    標識が
                    みあたらない

                    霧の中
                    呼吸がままならない
                    鼻も口もふさがれ
                    
                    立ち止まったままの
                    十字路

                    思い出した
                    右はターミナル
                    左は街へ続く通り

                    がらりとした
                    はるか遠い記憶の

                    迷い道
                  
                    
                    

                    

                    

                    

                    

               
          

                     

つめ

2020-05-26 21:26:24 | 日記
                        つめ


                    風景は
                    いつもそこにあるが

                    風景は
                    いつも
                    モザイク

                    時にゆがむ
                    真っ黒になったり
                    真っ白になったり
                    
                    悲しいことに
                    風景を失うこともある
                    風だけが吹き渡り
                    けものたちも
                    とまどい

                    時を刻む音さえ
                    聞こえない

                    ダリの絵では
                    時計が
                    捻じ曲がり
                    時が滴り落ちて

                    膨らんだ脳は
                    やせ細り

                    思考をとめていると
                    こころが
                    死にはじめるので

                    抗い
                    生きようと
                    必死につめを立てている

                    
                    
                    

                    

ドーナツの真ん中

2020-05-19 18:17:06 | 日記

                      ドーナツの真ん中


                   真ん中
                   ぽっかり

                   台風の目も
                   ぽっかり青空

                   何層も
                   白から
                   色づき
                   薄茶色
                   茶色まで
                   重なり

                   そして
                   だんだんとまた
                   霞んでいき
                   
                   遠い
                   空は
                   限りなく

                   かぶりと噛み付いて
                   なかは
                   空白
                  
                   ドーナツの真ん中
                   なんにもない

                   
                   
                   

しばりんぐーふるえー

2020-05-18 23:18:37 | 日記
                       しばりんぐーふるえー


                    ふるえている

                    夏に向かっているのに
                    風が生暖かいのに

                    近づいてくる
                    ものに
                    親しげに声をかけてくる
                    ものに
                    1歩後ろに下がり
                    
                    これはね
                    王冠の病気だから
                    たらふく食べ
                    贅沢をつくし
                    満腹した
                    今に
                    
                    信じられなくなったものに
                    戒めの
                    気づきを与えるために
                    
                    裸の王様は
                    分厚い霧をかかえているから
                    視界不良の
                    白内障で

                    ぼやけた眼ではみえない
                    ぼんやりしたぼんぼんでは
                    ぼんぼりの
                    昼行灯

                    明確ではない
                    あすが
                    寒いので

                    ふるえている

あしー脚、足ー

2020-05-16 23:30:40 | 日記

                          あしー脚、足ー

                   向こうからやってきたらしい
                   そして
                   向こうへ
                   歩いている

                   歩いている途中で
                   歩数を
                   ひとつずつ数えているうちに
                   ここで立ち止まり
                   座り込んでいる

                   そして
                   また
                   たどりつくところに
                   たどりつくまでの
                   道を
                   1歩
                   1歩
                   歩くしかなくて

                   こわごわと
                   足を
                   ふみしめている

                   道の途中で