ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

お下品に・・・くそ!みそ!

2015-06-28 14:37:43 | 日記

                    くそ!みそ!



                 灰色の雲
                 風に
                 流れている
                 



                 洗濯物が
                 ぱたぱたと
                 音を立てて
                 激しく揺れ




                 雨は降らない
                 まぶしい光が
                 舞っている



                   回帰のモノクロ
                   繰り返し
                   繰り返し
                   

                   髪のない
                   おじさんが
                   怒鳴っている
                   代理の
                   脅し
                   目つぶしの
                   灰を
                   手にし
                   冗談だよと
                   いいながら
                   その眼は
                   ぎんぎらに
                   アドレナリン放出の
                   攻撃体勢



                ちょろちょろに
                一滴の
                毒物を
                流し続けて



                傲慢に充血した脳みそ
                                 
                 
                 

白煙・・・慰霊の日に

2015-06-26 14:54:29 | 日記

                      白煙



                  もう
                  もう
                  と牛がなき
                  


                  こけこけっこー
                  と鶏は
                  朝をつげ





                  大きな鍋はぐつぐつと
                  湯気をたて
                  


                  お椀になけなしのごはんをよそおった
                  そんなふうに
                  その日の朝がきただろうに



                  朝の7時に
                  演習だと思った
                  爆音は
                  空襲で
                  それから
                  火だるま
                  地獄絵



                  

                  母さんの青春も
                  それまで
                  穏やかに
                  普通に
                  すぎていたはずなのに




                  艦砲の
                  食い残し
                  惨めに
                  虎刈りの丸坊主
                  蚤殺しの
                  白い粉DDTを
                  米軍の兵士の手が頭からかけ



                  それから
                  母さんは
                  殻
                  


                  蝉の
                  殻



                  どう
                  生きていけばいいのか 
                  むなしく
                  殻
                  空っぽ


                  涙も見せず
                  白の煙に
                  意識をなくした
                  
                  

逆鱗

2015-06-25 14:14:33 | 日記

                      逆鱗



                魚の鱗は
                つるつるに
                海水をかき分け
                



                網にかけて
                一網打尽の
                情け容赦ない




                卵を抱えた
                魚
                子持ちの
                魚




                ギョッ
                おちょぼぐちで
                毒を吐きだす
                大嘘も
                「建前ですから
                 わかっているでしょ、ご挨拶ですから
                作文の手配
                口当たりのいい甘さ
                甘さは酔わせるほどに癖になりますから
                中毒してしまえば
                耳元で右から左へ通りすぎていきますから」




                あんだぐち
                つるつる
                滑り具合がいい




                あんだぐちも
                ばれてしまえば
                がさがさの
                鱗が
                指に刺さって
                血だらけさ




                帰れコールは
                さかさの鱗

                 
                

ランチブッフェ

2015-06-22 09:12:02 | 日記
                         ランチブッフェ




                  たくさんの人中で
                  テーブルに
                  盛られている
                  ぶつ切りの
                  胴体やら
                  生まれる前の
                  かき混ぜられた
                  細胞
                  途切れた葉脈
                  



                  お口に運ぶ
                  楽しそうにおしゃべりしながら
                 



                  満ち足りているのに
                  なお
                  とどまることがなく
                  追い求める
                  


                  「しかし
                  お腹が空いてるんだ
                  わたしゃ」

                  

                  まわりをさかなにしながら
                  がっつく
                  口から
                  溢れる
                  犠牲の
                  生きものたち

    
                  
                  なんてことを考えながら
                  食っている
                  なんて
                  虚飾の
                  拒食




                  食い物が浮かばれない
                  身体が素直に
                  食い尽くして
                  取り込んでくれない



                  未消化の胃袋の中身
                                    

                  


                  
                 
               
                  
                  
                  

背番号

2015-06-19 10:03:21 | 日記

                             背番号



                     だだもれ
                     失禁状態の
                     じょーじょー



                     バックナンバー1番さんは
                     介護の必要な親もちの
                     公務員さん
                     まじめに税金やらを払って
                     年金を期待して
                     暮らしています



                     毎日夕方には
                     テレビをつけながら
                     食事の準備をしています
                     親には柔らかいものと刻んだおかず
                     自分には
                     ビールとおつまみのようなもの
                     ささやかな楽しみです



                     おっとー
                     テレビのチャンネルを変えましたー
                     ニュースは見ないようです
                     おや
                     土座衛門がでてきました
                     恐ろしいドラマを見ているよーです
                     あっと
                     今度は刺殺された女の姿が映っています



                     頭の中は
                     死体だらけの様相を呈しています
                     世の中が
                     犯罪だらけの惨い世界になっている模様です




                     ダダ漏れの
                     水道
                     見透かされた日常の
                     その部屋が
                     つながれる
                     牢獄と化した



                     私の番号は
                     ラッキー7