ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

6月の迷路

2022-05-29 23:57:20 | 日記

                       6月の迷路

                    6月は
                    いつも大雨
                    
                    あんたのこころも
                    大雨
                    落ち着かないので
                    あっちこっちを
                    歩き回って
                    びしょぬれ
                    あまがっぱから
                    水滴が
                    滴り落ちている
                    
                    うつむいて
                    歩くから
                    顔はびちょびちょ
                    まつげもぬれて
                    目が痛い
                    
                    もうすぐ
                    家だ
                    この道を
                    まっすぐひたすら歩けば
                    着くのに

                    いつまでたっても
                    どこまで歩いても
           
                    どこにもない
                    
                    迷い子
                
                    心騒いで
                    気づいたら
                
                    朝の明るさだった

夕日

2022-05-29 23:38:18 | 日記
                       夕日


                    ねむれない夜に
                    雨音を聴いていた

                    小さかった頃
                    溝に落ちる雨音を聴いていたように

                    古い写真の中
                    みんないるのに
                   
                    いまはいない
                    いたけどいない

                    いるけどいない
                    いないのにいる

                    雨音は
                    続いている

                    ここにいるから
                    聴こえている

                    このままではいられないけど
                    このままであってほしい

                    雨の夕暮れ
                    雨があがって
                    夕日が
                    雲の間から
                    オレンジ色に
                    輝いて
                    まぶしかった

                    目に優しく

                    
                    

大雨の中のマラソン

2022-05-24 23:19:05 | 日記
                       大雨の中のマラソン

                   きょうも雨の中
                   ずぶぬれの木々
                   ずぶぬれのせかい
                   注意深く
                   ずぶぬれにならないように
                   雨の間を
                   あるくには
                   もう時間が過ぎ去ってしまった
                   のに
                   大雨の中に立ちつくし
                   
                   なにをしてるんだろう
                   わたし
                   マッチ売りの少女は雪の中
                   わたしは大雨の中
                   しけて
                   もえないマッチを
                   大雨の中で
                   つけようとしている
                   大馬鹿

                   がんばれ

                   

いつも大雨

2022-05-23 20:33:14 | 日記
                       いつも大雨


                   思い出した
                   何をしたかったのか

                   あの日
                   少女のなかのおばさんが手を横に滑らした
                   「手に職をつけよ」
                   進学調査
                   でもって
                   仕事の傍ら
                   こんなふうに
                   やめられないとまらないの
                   手仕事

                   きょうも
                   もぐりの授業
                   ち わき
                   指先が踊る

                   底の見えない
                   人間探求
                   目の奥の森へ

                   あの日も大雨だった
                   あたまから湯気がでていた
                   少女

                   首里の古ぼけた
                   かび臭い
                   教室で
                   白紙に鉛筆で
                   書きなぐった
                   物語

                   きょうから
                   はじめる


                   
                   

落とし穴

2022-05-22 00:07:24 | 日記
                        落とし穴


                    持ち物
                    古いガラクタ
                    黄色になった紙
                    その時々の
                    得た広告に
                    後生大事にとっておいた思い出
                    捨てることができなかった
                    執着


                    大事なものは
                    生きてきたということ
                    生きているということ
                    それがさ
                    ガラクタになってしまうのだよ
                    いきていりゃこその大事大事

                   
                    誇りが
                    埃の山になり
                    なにがなにやら
                    片付けるのが
                    こんなに下手だとは思わなかった
                    大事大事な
                    あんなことやこんなことや
                    
    
                    こんなふうに
                    溜め込んだ
                    ないぞうしぼう

                    しをかかえて
                    いきているなんて
                    自然なことだが
                    そんなことは
                    考えもしない

                    ある日
                    突然突きつけられて
                    はじめて
                    うろたえる

                    うちなる
                    穴ぼこに落っこちた