ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

青白い春

2024-02-25 23:19:06 | 日記
                       青白い春


                    さあ
                    新しい春の嵐が
                    通り過ぎた後は
                    きらきらと
                    ぎらぎらと
                    照りつける太陽が
                    空に浮かび
                    うんざりするほど
                    暑苦しい
                    夏が
                    やってくるよ

                    おきなわは
                    お上品になって
                    カフェで
                    お茶する
                    かわいらしい
                    おじょうさんが
                    出没するようになった

                    何も思わず
                    ただ
                    時間を楽しむがいい
                    いまのきみは
                    いつも目の前に崖が
                    あらわれないかと
                    歩くことをおそれている

                    今夜は
                    風が強くてがたがたと
                    戸をゆすっているよ

                    さびしい夜さ
                    電話で話をしたら
                    よけいに
                    しんとなって
                    ことばが
                    しみいることなく
                    つるんとすべって
                    膝にすりきずだけつくっている

                    いつも
                    ひとつのことばが
                    耳の中でこだまになって
                    消えないから

                    前に進んでいかない
                    もどかしさ
                    今夜の強い風の音が
                    髪を
                    かきむしり
                    流れて行ったよ

                    さよなら
                    きのうまでの日々

あめのあと

2024-02-23 22:49:09 | 日記
                       あめのあと


                    ずきっと
                    痛んだ

                    もうもどってはこない
                    あの日

                    きみと
                    たちどまって
                    向かい合うこともなく
                    ただ
                    おもいをぶつけていた
                    あおい
                    不器用な日々

                    いまもそうだけど
                    思い込みと考えすぎのあとで
                    ノートを
                    破り棄てたっけ
                    それからふりかえらず
                    ほろにがい
                    雨降りのできごと
                    おもいだすと
                    いたい
                    あの日から
                    いつも
                    くりかえし
                    棄ててきた
                    
                    きみは
                    どうしているだろう
                    もう変わってしまった景色の中で
                    おだやかにくらしているのだろうか

                    いえないきずのまま
                    しつこい自分をかかえたまま
                    かわらない
                    うつむいたままの
                    自分に
                    みもだえしている
                    
                    


                    

二月のかぜ

2024-02-19 22:36:56 | 日記
                     二月のかぜ


                  二月の
                  からっぽの教室
                  なつかしい黒板
                  あまずっぱく
                  痛い胸

                  季節はずれの暖かい風の
                  吹くガラス窓を
                  みつめている

                  風に乗って
                  去っていく時間を
                  懐かしく思い出すのも
                  ひさしぶりだった

                  わらうのを忘れていたよ
                  怖がるばかりで
                  楽しいことを
                  想うことを忘れていた

                    一筋の涙をみせた
                    あのこに
                    教えてもらったのは自分で
                    懐かしい時間を
                    感謝するのも自分で

                    空っぽの教室は
                    昔すんでいた
                    懐かしい場所だった

                 さびしいのは
                 波だたなくなった
                 ことで

                 ちくりと
                 わすれないように
                 つめ跡をのこすよ