ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

出口はひとつ

2022-08-25 19:21:09 | 日記
                        出口はひとつ


                    きょう1日は
                    もうもどってこない
                    ということはわかっているが
                    でも
                    わからない
                    というより
                    わかりたくないのだ

                    どこかで
                    たぶん迷路で
                    出口がふさがっている

                    いつも一生懸命生きているつもりでも
                    いねむりをして
                    記憶を
                    煙のかなたに
                    おいやっている

                    きょうも
                    いねむりをして
                    大事な生きている時間を
                    無為に過ごした

                    無為なんてないかもしれない
                    必要な時間
                    いつも時計の針に
                    追い立てられて
                    
                    おしりに火ではなく
                    針がちくちく

                    こんなに
                    時間が
                    自由に
                    使えることがなかったので
                    戸惑っている

                    組み立て方は
                    いままでの過ごし方と同じ

                    組み込まれた時間の使い方は
                    もうすでに
                    自動化

                    まっすぐに
                    自分

                    出入り口は
                    矢印の向こう
 
                    あちら

真っ黒けの夢

2022-08-16 23:44:53 | 日記

                       真っ黒けの夢


                   夏の夕日が落ちていく
                   真っ赤に熟し
                   暗くなる大空の下へ
                   紫の雲の中へ消え逝く

                   真昼の日差しが
                   傾くとき
                   熱風が一瞬
                   くるっと向きを変え
                   涼しげな風になり

                   ひらひらと
                   その風に乗り
                   茶色の葉が
                   地に降りていく

                   地球は
                   大雨で
                   山の大木も
                   押し流しているのに
                   干からびて

                   楽しそうに
                   有頂天に
                   くるくると
                   踊り狂っていたのに
                   憂鬱に
                   うつむいて
                   しのびないている

                   出口のない迷路で
                   欲望に駆られた
                   節操もない
                   妄想で
                   走り回っている
                   ものに

                   夢は与えられるのだろうか

                   否

                   

 

旧盆の入り~うんけ~

2022-08-10 23:22:15 | 日記

                       旧盆の入り~うんけー~

                    必死の思いで
                    書いた
                    物語
                    手探りの
                    長いトンネル

                    どこへ行くのか
                    どう目指せばいいのか

                    ただ
                    あふれでた思いは
                    抑えられないので
                    書きなぐり
                    迷っては
                    書き

                    追いかけられた日々は
                    はるかかなたにあり
                    今となっては
                    落としてきた
                    後悔を
                    拾い集めて
                    汚れを
                    磨き
                    澄み切った
                    ガラス細工に
                    組み立てている

                    きょう
                    旧盆のうんけー(お迎え)
                    静かな夜に
                    思いもよらず
                    涙
                    ひとすじ

                    コップのビールは
                    ふたつ

                    酒飲みの祖父と父のためには
                    泡盛
                    コップ酒

                    おかえり みなさん
                    玄関にあかり

                    おあがりなさいませ
                    軒下のあの世から
                    猫の爪とぎで
                    ぼろぼろになりかけた
                    たたみ間へ

                    
                    

夏のかいだん

2022-08-01 20:26:02 | 日記

                       夏のかいだん


                    かいだん
                    夏の定番で
                    ひゅーどろどろ


                    どろどろ
                    部屋の中に
                    ひゅーどろどろ
                    ひー
                    なんてこったあー

            
                    本棚の裏で
                    どろどろ
                    どろどろ
                    うらめしやー

                    しろい
                    こそこそ
                    どろどろ
                    ひゅーどろどろ

                      バスターを
                      呼び
                      あちこち
                      みて
                      説明            
                      金目が動く
                      ため息
                     
                    どろどろの
                    お見積もり
                    土くれになった
                    床板の下
                
                    ひゅーどろどろの
                    姿は
                    それは
                    シロアリで
                    ばりばりと
                    音もなく
                    あらわれて
                    家を荒らしていた

                       がっくりと
                       肩を落として

                   うらめしやー
                   シロアリ