みちゆき
4匹の猫の兄弟
島の
縞々な模様
茶色に
虎毛
仲良く
ご飯を食べ
じゃれていた
猫
くりくりの目で
じっと
未来を見ていた
4匹の猫
音もなく
歩き始め
それぞれの生きたいいところへ
そろりそろり
爪を研ぎ
牙を蓄え
跳躍
たかく
塀を飛び越え
親の手に届くこともない
世界へ
着地したところで
親の心配に耳を傾けることもなく
ぴくぴく
口元のひげ
歩いてきた道
足元も見ず
落ちた溝
裂け目で
罠に足を取られ
遠い遠い
過去を振り返れば
落ちた土ツボ
溝より深く
複雑に
空に蜘蛛の巣
からめ捕られた
無垢なこころは
ねじまがった
アルコールまみれの
そうでないはずの風景
現実に背を向け
障子の白さに
肩を落としている
4匹の猫
それぞれの人生
音もなく
崩れた
傷だらけの
かきむしった毛玉
手玉にとられ
どっぴんしゃん
しゃんとしたかったはずの
プラスマイナスの
道
山あり谷ありの人生