ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

病葉

2017-09-29 21:27:15 | 日記

                 病葉



               秋の風に
               吹かれて
               かさかさと
               流れ




               木の枝を離れ
               ぱらっぱらと
               手のひらで
               壊れていく
         



               一枚
               一枚
               を
               拾い集め
               

               オレンジに染まっていく空を
               見上げている



               朽ちていく
               病葉


               みずみずしかった
               若葉は

             
               夏の陽射しと
               秋の
               冷たくなった風に
               打たれて
               嵐に
               翻弄され


               
               みんな
               病葉
               穴があき
               欠けた
               葉


               みんな
               大地の上の
               病葉
               
               




                              

ここにある

2017-09-21 21:46:17 | 日記

                  ここにある


               秋風に揺れて
               草木
               緑の風ながれる



               ゆらゆらと
               とまどうばかりの
               夏の終わりと秋の始まりのはざまで



               そこにたちどまっていたばかりに
               風が流れて行ったことに気づかず
               ゆらゆらと
               ゆらゆらと
               秋の陽が
               まぶしく



               瞳閉じて
               うつむき
               観ないふりを決め込んだ



               秋風の中の茶色の葉が
               みどりの風に
               ふるえて
               

               この風にのって
               秋の空たかく
               


               とんでみたい
               と
               とんでもない
               ゆめをみるのも
              


               ここにある幸福


               
               
               
               

               

あまぞん

2017-09-15 21:29:20 | 日記

                   あまぞん



               その女は
               口が歪み
               攻撃態勢の涎がたらたら
               白めが睨んでいる
               何を攻めたいのか



               毒気のキノコが
               群れている
               


               むくむくと
               灰色の煙を吐き
               何が不足なのか
               よくわからない
               淀んだ感情
               臭い
               
               
               臭い息をはいていることが
               自分ではわからない


               その毒気を吸い込んでしまったら
               めまいがして
               座り込んで
               呼吸が
               速くなり
              

               舌が
               長く飛び出して


               あっ
               耳が長く
               逆毛が立ち


               私も獣で
               突然
               猫かぶりの
               オオカミになり
               嗤って
               唸り声を上げた


               メス軍団


               さてさて、
               耐えられるか
               逃げだして、楽するか
               それとも
               その猫かぶりで白を切るか


          
     


              
             
               

みちゆき

2017-09-12 22:15:20 | 日記

                   みちゆき


               4匹の猫の兄弟
               島の
               縞々な模様
               茶色に
               虎毛


               仲良く
               ご飯を食べ
               じゃれていた
               猫


               くりくりの目で
               じっと
               未来を見ていた

              
               4匹の猫
               音もなく
               歩き始め
               それぞれの生きたいいところへ
               そろりそろり


               爪を研ぎ
               牙を蓄え
               跳躍
               たかく
               塀を飛び越え
        

               親の手に届くこともない
               世界へ


               着地したところで
               親の心配に耳を傾けることもなく


               ぴくぴく
               口元のひげ
               
             
               歩いてきた道
               足元も見ず
               落ちた溝

              
               裂け目で
               罠に足を取られ
               

               遠い遠い
               過去を振り返れば
               落ちた土ツボ
               溝より深く
               複雑に
               空に蜘蛛の巣
               からめ捕られた
               無垢なこころは
               ねじまがった
           
             
               アルコールまみれの
               そうでないはずの風景


               現実に背を向け
               障子の白さに
               肩を落としている


               4匹の猫
               それぞれの人生
               音もなく
               崩れた

             
               傷だらけの
               かきむしった毛玉


               手玉にとられ
               どっぴんしゃん


               しゃんとしたかったはずの
               プラスマイナスの
               道
               山あり谷ありの人生
               
               

こいうた、あき

2017-09-06 21:06:33 | 日記

                   こいうた、あき



               窓から
               夕方の光が射し込む
 



               風が木々の枝葉をゆらし
               長い影
               涼風



             
               雲の隙間から
               ぽろぽろと
               落ちてくる
               柔らかな光が
               目に優しい



               きみの目のひかりににて
               そっとかくしたつもりが
               とらえた
               視線に
          


               戸惑う
               夏の終わり
               秋の始まりの
               ほろり
               さみしい夕方