ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

幸いなり

2012-07-29 07:25:58 | 日記

                       やまのあなたのそらとおく
                            



            世界を歩く人は
            一歩前にでて
            世界を知る
                              
            世界を知る人は
            大空からではなく
            地上の路地裏から のぞき                                                                      
                              
                              泥にまみれた
                              かけた茶碗
                              汚れてゆがんだ洗面器に
                              群がるひとの集団の
                              自覚しない
                              はどめのない憎悪に
        
                              唇が動かなくなり
                              川底の汚泥
                              に
                              脚をとられ
                              くるしいのだ

                              時折
                              放つ臭気に
                              
                              顔をそむける
                              が
                              
                              世界が
                              目の前に
                              陳列
                              逃れることができない

                              哀しみが
                              憤りが
                              
                              底に
                              沈み

                              しかし静まらない
                              
                              やさしい音は
                              必要ではない

                              毒には
                              少量の毒で
                              毒消しを
                              
                              神経には
                              絶縁体の
                              テープをすこし

                              はきだしてしまえ
                              
                              拒絶のしょくもつ

                              もつ

                              消化する
                              巨大な容量の
                              胃

                              たこくって
                              
                              たうりん

                              だいじょーぶだー

                              脳は
                              頭蓋骨で
                              保護されている

                              

                              
                              
                              



                              
                              


首里石嶺町

2012-07-28 15:29:21 | 日記

              


                  いしんみ
                 
                              しるーぐまーいしぬぅみち
                              みちぬぅはたや もくまおうぬぅきぃー
                              ぬぅふぁー

                              ゆぅりぃてぃ
                              ゆぅりぃてぃ

                              かじぃぬぅむっちぃいちぃ
                              きぃぬぅふぁーぬぅみちになてぃ

                              わーびぃぬぅやまぬぅ びょーいん
                              ゆうなぬぅきぃー
                              がじゅまるぬぅきぃー
                              なかいかくまっとーん
                              うんどーじょうー
                              があたん

                              がいらいぬぅ
                              いすんじぃ
                              あやーぬぅ しぐとぅぬぅ
                              うわいしぃ まっちぃ
                              
                              かんじゃさんや
                              かーきいろぬぅ おーばーちぃちぃ
                              ぼいらーぬぅたちじぃにひーちきてぃ
                              すばうとーてぃ
                              まじゅーん んーちょーたん
                              
                              だいだいいるぅぬぅひー

                              かんじゃさんやあらん
                              よーとーん くくるぬぅ 
                              うっふっちゅ
                              とぅ
                              わらび
                              どぅしぬぅ

                              ひー まじゅーん
                              みーちぃきーとーたん

                              しるーみちや
                              ひるくなてぃ 

                              くるまが
                              ならでぃ

                              もくまおうぬぅきーぬぅふぁーや
                              かりとぅらってぃ

                              やまぬぅわーびや
                              こんくりーとぬぅ
                              やーが
                              いっぺーたっちょーん



          首里石嶺町

         白い小石の道
         道の端にもくまおうの木
         の葉

         揺れて
         揺れて
        
         風がつかみとって
         木の葉の道になり

         町の上の丘の病院
         ゆうなの木
         がじゅまるの木
         に囲まれた
         運動場
         があった
         外来の椅子で
         母の仕事が
         終わるのを待ち

         患者さんは
         カーキ色のオーバーを着て
         ボイラーの薪に火を起こし
         その横で
         一緒に
         ボイラーの火を
         みていることもあった

         橙色の火

         患者さんではなく
         か細く弱くなったこころの
         おとなと
         わらべと
         ともに

         火を一緒に
         みつめていた

         白い道は
         広くなり
         車が
         並んでいる
       
         もくまおうの木の葉は
         刈り取られ

         町の丘にはコンクリートの
         建物が
         いっぱい建っている


         
              
                            
                              

                              
                            
                              

ぶらんこ

2012-07-28 09:28:19 | 日記







                    あなぐらで

                        捨てられて
                        震えている
                        猫と
                        子犬を

                        抱きしめて
                        座り込んでいる

                        少女は

                        少女のままで
                        両手に抱えた
                        
                        古い夏休みの絵日記を
                        捨てられず

                        空と雲を
                        見上げて
                        立ち尽くしている

                        広い野原に
                        ぽつり
                        ブランコ

                        ゆらり
                        ゆらり
                        揺れて

                        ブランコを
                        にぎりしめ
               
                        空と雲に
                        近づけ
                        と

                          酔った

                          耳の奥で
                          アンバランス
                          ゆがんだ景色
                          ひかり
                          まわる
                          天
                          球形の
                          そら

                        ゆらり
                        ゆらり

                        ゆら
                        ゆら

                        ゆっくり
                        と
                        起き上がる

                        めざめよ

                        こころ
                        ここ

                        ころ
                        ころ

                        石

                        いし
                          
                        
                        
                        

                                       
                       
                        
                                                  

青のレクイエム

2012-07-21 11:26:26 | 日記
                   

                  


                            ちょう


                          3階の教室に
                          迷い込んだ蝶が
                          ひらりひらりと
                          窓から
                          とぶ

                          蝶であればこそ

                            翅のない少年たちが
                            はやし立てる声に
                            ドンと

                            どやされて
                            ひらりと
                            重い内臓と
                            細く伸びようとする骨を
                            抱えていながら

                            飛び降りた

                            教室と地面の間で

                            ねっとがあれば
                            大人の広くて
                            ぶ厚い掌が
                            あれば

                            ふわりと
                            掬い取って

                            ガラスの心が
                            砕け散る前に

                            「こどもからおとなになるのではなくて
                            こどものいまがおとなをつくるんだよ」


                            建前なんて言う言葉で『嘘』を平気でつき
                            『安全』という言葉で『危機』を隠す

                            だから
                            『暴行』『恐喝』『ゆすり』という言葉を
                            いじめでひとくくりする
                            すりかえ

                            あなたは
                            おまえ、てめー

                            公務員は
                            公僕

                            民は
                            たみん

                            たまん

                            たまんの眼は
                            ゼラチンがいっぱいでおいしいね

                            喰われている

                            
                            ちょう
                            超
                            
                            蝶を超え
                            大空を自由に
                            駆け抜けろ

                        

                       

                        


                                    


                           
                            

四季

2012-07-16 08:19:23 | 日記


春の宵に
                         浮かれて
                         路地で
                         千鳥足

                          夏の青空に
                           眩暈して
                           ぽたぽたりと
                           額に汗して

                          秋なんてもんは
                           ないようなものだが
                           すすきの間を吹き抜ける
                           涼しい風に
                           小さなこげ茶の葉っぱが
                           ふらりふらり

                         冬はない
                         時に暖かな日差しに
                         猫が
                         あくびをしている
                         縁側のうえで
                         雷がとどろくから
                         歯をむきだして

                         ぽちが
                         うなるよ

                         うーWar にんぐ ぐっぐっ わあーん おNOー
                         
                         雷は
                         天空を走る
                         ひかり