ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

2015-01-29 16:47:13 | 日記




     象       ルコント・ドウ・リイル
                              上田敏「海潮音」より





                砂漠は丹の色にして、波漫々たるわだつみの
                音しづまりて、日に燬けて、熟睡の床に伏す如く、
                不動のうねり、大らかに、ゆくらゆくらに伝らむ、
                人住むあたり銅の雲、たち籠むる眼路のすゑ。


                         ・
                         ・
                         略
                         ・
                         ・
                地平のあたり、一団の褐色なして、列なめて、
                みれば砂塵を蹴立つゝ、もどかしとてや、力足、
                蹈鞴しこふ勢いに、遠の砂山崩れたり。








                          象



               砂漠は緋色、風に波立ち
               しかして音なく、陽に灼けて、陽炎揺らめき
               その波は不動にして、うねり、伝う
               人の住むというところ、銅の雲、籠る
               眼を覆う

                     

               文明発祥の地は
               悲しみの
               地にて

               言葉がのどの奥に絡みつく
                     

               

、         




              

おにもち

2015-01-29 10:32:34 | 日記

                    むーちー



               むーちーびーさ や

               1日遅れ
               ぬうーがなとーら


               ぬうーがなとーら
               えーさい
               たんめー
               ちがとーんどー
               わらびんちゃー
               むーちーなかい チョコレート、生クリームんで いいぬぅ むん
               ちきやーなかい かむんでぃさっ


               

               とーなーとーなー
               ゆかいうっさ ちがとーん



               あんどぅやさ
               くぬぅ くにぬぅ うふぬし
               へいわまむいん でぃ いいしが
               するこぅとぅ や
               どぅく ちがてぃ いみ わかやびらん
               くち とぅ
               する くとぅと どくちがてぃ
               うとるしむん



               ちねーぬぅ いることぅ や 
               「丁寧にお聞きして よく説明をして ご理解をいただきますようにします」
               でぃ

               うね ゆくしむにーし
               してぃみて から ゆなかから
               海んかい
               ぬうーがら
               がーらがーら
               し
               やがまさぬぅ



               ゆなかにしくちや
               ぬすどぅ る やっさい



               えーっしゃ
               たんめー
               うちなーぬぅ
               海よー
               あん美らさ海よー
 

               
               うちなーぬぅ
               山ん 木ん
               ふちとぅばさーなかい
               くんどー
               海
               なかい
               海
               なかい


              
               さーらんけーわ
               うんなむん
               ちゅくらんてぃ
               うき






                    

                              

               
                          むーちー



               むーちーびーさ は

               1日遅れ
               どうなっているんだか


               どーなっているんだか               
               えーたい
               おじーさん
               変わった
               子どもたちが変わった
               むーちーに チョコレート、生クリームというものをつけて食べるんだって


               

               とーなーとーなー
               したたか 変わった



               そうかあー ああなるんだよ
               この くにの うふぬし
               へいわまもる と  いうのだが
               すること が
               余りにもかけ離れているから いみ が 解らない
               言葉と 
               やっていることが 余りにも異なるから
               うとるしむん



               住民のご意見は  
               「丁寧にお聞きして よく説明をして ご理解をいただきますようにします」
               って

               うね ゆくしむにーし
               早朝から  夜中から
               海に
               何かを
               がーらがーら
               と
               騒々しい



               夜中にお仕事するのは
               ドロボーじゃ あるまいか



               えーっしゃ
               おじーさん
               うちなーの
               海よー
               あん美らさ海よー
 

               
               うちなーの
               山も 木も
               鉄の暴風に吹き飛ばされて
               今度は
               海
               に
               海
               に


              
               ふれないでくれ
               そんなものは
               造らんで
               そのままにしてくれ


            
        
               

現代「かいちょうおん」

2015-01-26 15:12:45 | 日記


                      怪鳥音


                  
                  真っ黒な夜空に
                  光る
                

                  夜な夜な
                  いづこからか
                  飛んでくる
                  


                  戸を揺らし
                  耳の奥の
                  太鼓を
                  鈍く
                  響かせ



                  砂の草原の
                  火柱の周りを
                  舞とび



                  重い唸り声を上げ
                  柔らかな精密なるコントロールタワーを
                  揺さぶり
                  かすかな狂いを
                  生じせしめる



                  耳の奥の
                  磁石が
                  微妙にずれていく
                  


                  振動を起こす

             


                  夜の鳥
                  怪鳥                  
                  

春の朝に

2015-01-26 11:52:21 | 日記




                 春の朝    ロバアト・ブラウイング
                        上田敏 「海調音」より






              時は春、
              日は朝、
              朝は七時、
              片岡に露みちて、
              揚雲雀なのりいで、
              蝸牛枝に這ひ、
              神、空に知ろしめす。
              すべての世は事も無し。












                     春の朝


              時はある
              日はあさ
              あさはうしみつどき
              おかにひとみちて
              じゅごんもなのりで
              蝸牛もれつをなし
              かみもせかいも空に広く示す
              すべての世にへいわを
              なにごともなく