ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

月曜日の憂鬱ーはくー

2023-09-25 19:18:07 | 日記
                   月曜日の憂鬱ーはくー

               朝の
                 落ち葉の
                  掃き掃除は

                   掃き清め

                    となりのおばちゃん
                    話し相手がいないので
                    こころにたまった
                    ちりあくたを
                    はく
                    負けず劣らず
                    はく

                    わらって暮らしていても
                    なにかしら
                    抱えて
                    腹にたまっているので
                    みんな
                    おんなじで
                    と
                    暗い目で

                   掃き掃除
                  ちりあくたの横に
                 黄色の花
                紫の花

                おばちゃんは花を
                育て
                草花を世話する

                 だけど
                 毒気が
                滲み出し

                掃き掃除
                はきだして

                 きれいにしたつもり
                 
                 仲良しこよしは
                距離感が大事か

                車だって
                車間距離で
                事故防止
                だもんね

                手のひらを合わせるのは
                奇跡かもしれない

                     
                    
                 

万華鏡

2023-09-19 20:22:42 | 日記
                       万華鏡

                   きらきら
                   小さな宇宙
                  
                   曇ったグラスを
                   勢い良く
                   洗い流し

                   万華鏡

                   碧と白と
                   ガラスの破片が
                   ぴかぴかに
                   光って

                   長い時間を見つめてきた
                   眼が
                   ダイアモンドみがきで
                   生まれ変わった

                   お疲れ様
                   眼
                   生まれ変わった眼で
                   あたりを
                   見つめなおしてみるよ

                   もう一度

古い写真

2023-09-06 23:45:31 | 日記

                    古い写真

                 モノクロの写真
                 四角に収まり
                 はるか遠くの
                 むかしむかしの
                 青年になりたての

                 父と母の元に帰してあげよう
                 勉強と野球と
                 写真とレコードに
                 夢中だった
                 兄よ

                 いつのまにか
                 少年ではいられなくなり
                 古い巣から
                 飛び立って
                 知らない世界に
                 いってしまった

                 期待はずれの
                 できた息子は
                
                 食べることができない
                 ベッドに寝たきりの父の前で
                 大きな肉のハンバーガーに
                 かぶりついた

                 「そうか、肉が好きなんだ」
                 小さくつぶやく父のやせこけた
                 顔はもう期待を棄てたようだった

                 将来、みんな離れていくだろう
                 と心配をしながら
                 父は逝ってしまった

                 あれから
                 あの兄も
                 繋がれた足かせを
                 はずせたかどうか

                 もうハンバーガーに
                 うんざりしていたか
                 ハンバーガーを思う存分
                 食べつくして
                 満足したか
                 ちゅふぁーらしたか

                 父の買ってきた
                 週末のカツだけでは
                 足りなかったか

                 ハンバーガーがおそろしくて
                 食べたことがないから
                 妹は
                 中学生並みに
                 給食だけ
                 食べているよ

                 兄よ
                 きょうからは
                 父と母の元で
                 幼い頃に戻って
                 やすらかに
                 ねむれ

                 
                 
                 
                 
                

初秋

2023-09-03 20:54:11 | 日記
                    初秋


                ひざしは
                激しさをひそめ
                おだやかに

                わしづかみの
                手の強さは
                ゆるみ

                どかどかと
                たたいていた
                ドラムは
                ゆっくりと
                小さなスティックの
                音になり

                ぎざぎざの
                棘が
                溶けていって
                サボテンは
                久しぶりの
                水の一滴に
                潤んできたのだ

                真夏の
                永遠の別れは
                形ばかりで
                忙しい式を
                取り繕うのに
                涙は
                レモン絞り器が
                必要で

                まっさらになった
                元の体を
                思い出せないくらい

                過ごした時間が
                とぎれとぎれだったし
                たいした話もしなかったから
                
                電話をすれば
                声が聴けるという錯覚を
                してしまうんだよ

                あまり親しくもなかった
                兄よ

                一番上と
                一番下の
                孤独だったらしい
                兄と妹

                きれぎれの
                思い出がふいにでてきては
                沈んでいく

                生きていくって
                お別れの練習なのかね

                高い頂の兄よ