ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

さてさて 南京たますだれ

2013-10-30 15:52:25 | 日記
                        南京たますだれ


                  さて
                  さて

                  南京たますだれ
                  なにがでるやら
                  南京たますだれ

                  南の彼方の
                  また彼方
                  果ての島
    
                  果ての島と思っていたら
                  
                  さて
                  さて

                  ぐるり
                  ぐるり


                  もとの島へ


                    あまくま
                    りゅうちゅう ぬぅ ぐとぅ

                    ながいものに
                    まかれて
                    かねもうけの
                    むとしんになてぃ

                    だまされて
                    だましたやつに
                    いすわられ

                    細胞ごと変質
                    いや
                    遺伝子操作

                    この納豆の豆は遺伝子操作ではありませんの表示
                    何喰わされているんだか
                    

                    大量の小麦粉の雨に
                    うたれて

                    
                    わたしゃ 変わってしまったのよ
                    青い目の
                    御人形さんに

                    かあさんはね 黒髪なのに
                    わたしゃ 茶髪なの

                    ぐろーばる
                  
                    愚弄ばる 遥かなるかの地
                    あらもに
                    宇宙も制御できない
                    風がふく

                    この造られた風を売りさばくのは
                    犯罪ではないのか

                    土地を追われ
                    すべてを失わせる
                    

                    なに
                    遺伝子操作の豆を喰わしたから
                    人造の風に
                    適応した
                    強固なひとができまっせ

                    心配に及ばぬ

                
                    ふゆーなものは
                    さっさっと
                    かの地から

                    避難するのですから



                   
                  

                  
                  

まる まるい

2013-10-29 15:10:03 | 日記
                            まる


                      まる
                      まるい

                      球の表に
                      線を引くのは難しい


                      世界地図の中に
                      ヤモリが
                      へばりついているのを見つけた
                      かなしいくらいに
                      なつかしく
                      いとしい
                      そのヤモリは

                          うちなーやいびーたん
                          (沖縄でございました)
                          ヤモリや
                          (ヤモリは)
                          防人か

                          防人のいるそのまた向こうで
                          かたかしらに
                          クバおーじをもって
                          がじまるの木の下で
                          煙草をくゆらしている
                          ひげのたんめーが
                          なまあたたかい風の中
                          一瞬
                          涼やかな葉の香りに
                          ほほえんでいる
                          


                      まる
                      まんまるの黄色の月
                      白い砂利道を照らしている
                      垣根の
                      小さな白い花が
                      香る
                      故郷の村

                      
                          熱のある日に
                          んめーの背中
                          明かりはいらないのに
                          ランタンをかざし
                          歩いている
                          家へ
           

                       彷徨っているのではない
                       そこから出発して
                       丸く
                       歩いている
                       足元に
                       もどるために

                      



                      

たたかい

2013-10-25 10:27:41 | 日記
                  たたかい


              たたかれて
              たたかれて

              いたた
              あい
              たた

              なにをすると
              叫び
              その攻撃を払う
              腕をもちたい


              いたたといえるまではいい
              
              たたかれても
              ものをいわず
              いたみを
              たえるだけでは


              たたかれるだけで
              たたかれつづけて

              感じる力を
              失い
              支配の網に
              絡み取られて
              何も考えることなく
              恐怖さえも
              感じ取ることも捨て


              これは事件です
              殺しの事件です


              新聞記事の事件は
              鏡なのです


              事件を集めると
              棲んでいる世界が
              
              ゆがみ
             
              拡大鏡の中の
              しみ
              しわ

              こんなふうに
              いつの時代も
              揺れる

              川面の
              落ち葉かな
              
              


              
 

傘はり

2013-10-20 10:13:35 | 日記
                       傘はり


                  たのもう
                  おたのみもーす


                  この傘を
                  こうてくだされ


                  この傘は
                  異人さんの傘
                  つけた飾りは
                  強い御守りでござる


                  御守りは
                  垂直跳びする鳥
                  大きないかもござる

                  なんと
                  傘はいらぬと
                  申されるか

                  傘は
                  自前のものがござるとな
                  いかがなされるのか
                  いまからおつくりなさるのか

                  なんと
                  まえまえから
                  ちゃくちゃくと
                  御作りに
                  なり
                  裏座敷に
                  御隠し遊ばれていたとは
                  なかなかな
                  お方でござる

                  
                  えっ
                  民草どもは
                  手なづけておるゆえ
                  ご心配いらぬと


                  まんじゅうと
                  酒で
                  毎日宴会やってあげて
                  わからぬよう
                  静かに
                  進めているゆえ


                  わが部下たちは
                  傘はりに仔細なく
                  手が細かいから
                  傘は高性能であると

              
                  申されるか



                    月夜には眠れない
                    毎晩サムライが
                    あらわれて
                    かき乱すのだ
                    月に輝く
                    闇夜を

                  
                  
               

              
                  
                  

あたらしい「さらい」

2013-10-19 13:54:18 | 日記

                        あたらしい「さらい」

                   さらい

                   ぬーうー いちん          
                   ちちとゅらし ん でぃ
                   いちん ちかん

                   ぬーがらー
                   いちむし ん あらん
                   ぬーやがやーや
                   いちむし やてぃん

                   みやー ぽち 
                   でぃ ゆべー 
                   「んー」 ん いち ふりむちゅんどー

                   
                       330号線に
                       車の列が行く
                       バイクがその車の間を疾走している

                       スーパーの荷物を載せたトラック
                       ベビー イン カーのステッカーを貼った軽自動車
                       が
                       走る


                       お昼前の
                       いいお天気の空
                       プロペラでもなく
                       飛行機でもない
                       飛行物体が
                       330号線の上を
                       ドー
                       ドー
                       と
                       唸り声をあげて
                       飛んでいる

                       翅は
                       ななめ向き

                       
                       いいお天気の
                       青い空
                       向こうには
                       青い海

                       白い雲がわき

                       保育園の子が
                       空を見上げて
                       走っている



                   うぬ とちぇー 
                   「地理的に優位」んでぃ
                   
                   えーたい
                   まーぬぅ くに ん かい
                   うんじゅ ぬぅ くに が ゆうい やんでぃ でぃが

                   うんじゅ ぬぅ くに が
                   た―ぬ ため たー まむいがさい


                       牙とまなざしを
                       とられて
                       砂糖と油に
                       中毒し

                       麻痺した
                       頭は
                       うつむいて

                       とぼとぼと
                       つぶやきながら
                       細い路地を
                       歩いている 

                


                   
                     あたらしい「さらい」

                                   

                   完璧に

                   何を言っても          
                   聴いてください と 頼んでも
                   言っても聴くことなく


                   なんだか
                   生き物(でもあるか) の ように
                   何でしょうね
                   生き物 でも

                   みやー ぽち 
                   と 呼べば 
                   「んー」 といって 振り向くのに


                       330号線に
                       車の列が行く
                       バイクがその車の間を疾走している

                       スーパーの荷物を載せたトラック
                       ベビー イン カーのステッカーを貼った軽自動車
                       が
                       走る


                       お昼前の
                       いいお天気の空
                       プロペラでもなく
                       飛行機でもない
                       飛行物体が
                       330号線の上を
                       ドー
                       ドー
                       と
                       唸り声をあげて
                       飛んでいる

                       翅は
                       ななめ向き

                       
                       いいお天気の
                       青い空
                       向こうには
                       青い海

                       白い雲がわき

                       保育園の子が
                       空を見上げて
                       走っている



                   この土地は 
                   「地理的に優位」という
                   
                   
                   どこの国に対して
                   あなたの国が優位というのか

                   あなたの国が
                   誰のために 誰を守るというのか


                       牙とまなざしを
                       とられて
                       砂糖と油に
                       中毒し

                       麻痺した
                       頭は
                       うつむいて

                       とぼとぼと
                       つぶやきながら
                       細い路地を
                       歩いている