ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

新・箱男・・・段ボール男

2013-07-28 15:22:17 | 日記
                        段ボール男

                   大きな木の下で
                   その家族は
                   仲良く暮らしていました。

                   ある日
                   おかあさんが病気になりました。
                   一生懸命看病しました。
                   足をさすり
                   体をふき
                   ご飯をつくり
                   おかあさんのために
                   準備をしました。

                   そして
                   おかあさんの病気は重くなり
                   天に召されました。

                   さみしいお父さんは
                   ご飯がのどを通らず
                   ねむれない夜を過ごしました。

                   ある朝
                   銀行の窓口で
                   その女の人はお父さんの
                   通帳を預かり
                   一言優しい言葉をかけました。

                   女の人には子供がいました。
                   大きな女の子でした。
                   

                   足しげく
                   大きな木の下の家に
                   親子は通い
                   いつの間にか居ついていました。

                   お父さんのほんとの子供は
                   大きな木の下の家の片隅で
                   じっと
                   息をひそめて暮らしました。


                   お父さんは
                   大きな木の枝を切り落とし
                   木になっていた木の実を
                   その女の人とその娘に
                   いわれるまま
                   わたしました。
                
                   その親子は
                   木の実を食い尽くしました。

                   やせ細っていたその親子は
                   だんだん
                   おおきくなり
                   おおきくなり

                   お父さんは
                   お父さんではなくなり
                   
                   ただただ
                   満たされないさみしさを
                   埋めることに時間を
                   費やするだけの

                   さみしい 
                   段ボール男なのでした。
                   

                   

雨が降らない・・・

2013-07-27 21:12:18 | 日記
                          少雨の時

                       雨の降らさぬ空の
                       上で
                       眼が光っている

                       緑の葉や
                       ふかふかの緑の土も
                       その光る眼で

                       からからに干上がらせ
                       焼き尽くそうと
                       たくらむ
                       

                       光る眼は
                       空の向こうに
                       地に
                       アスファルトに
                       ビルの窓に

                       
                       真夏の
                       雲をかき分け
                       すべてに
                       そのひかりを
                       降り下ろす


                          においのない
                          おともなく
                          しのびよる
                          しずかな
                          恐怖

                          
                          自然が
                          起こすこと
                          ではなく
                          いつも
                          手をくわえる
                          この手を
                          『神の手』と
                          呼ぶことに
                          恐れは抱かないのだろうか



                       神は
                       紙
                       紙幣
                       金
                       地中深く
                       ねむる
                       地球の一部を
                       刻んで


                       かき集めている
                       
                          
                          
                          
                          
                         
                       
                       

                       

                       
                          


                       

御商売・・・あきない

2013-07-25 21:16:54 | 日記
                            あきない・こりない


                          御商売
                          
                          物売り
                          ものうり

                          もの
                          ものはいろいろ
                          

                          くちにするもの
                          はきもの
                          きもの

                          ものうり
                          うり
                          きゆうり
                          
                          うり
                          りするもの

                          ものうり
                          もの
                          きわもの
                          
                          きわめつけ
                          いのち
                          
                          いのちをつくる
                          たべもの
                          いのちをたもつもの

                          もののかち
                          かちぐみのかこいこみ

                          こみいった経済
                          いえ
                          簡単にいえば
                          金儲け

                          売らんかなの
                          食べ物に
                          いのちの取引

                          生命保険に
                          医療保険に
                          
                          ほけん
       
                          健康の保持

                          金のなる木
                          お薬に
                          病人のわら
                          にすがるおもい

                          哀しい
                          生きるという希望を
                          売り買いする
 
                          きわものの
                          御商売
                          
                                                                            
                       
                          

残暑お見舞い

2013-07-23 21:52:39 | 日記

                           残骸

                        しかたないから
                        作り笑いをした
                        空を見上げ続けていたから
                        

                        水平線には
                        目がいかなくて
                        近くで
                        じっと見られていると思うと
                        落ち着かなくなるよ

                        どこまで近づいていいのやら
                        わからない


                        雨が降らないから
                        湿った土のにおいや
                        草の葉から立ち上っていく
                        露の行方
                        を
                        忘れてしまった


                        乾いたこころでは
                        そよ吹く風に
                        揺らぐ
                        空間がない

                        さらさらと
                        手のひらから
                        白い白い
                        砂粒が
                        おちていくだけだ

                        サンゴの死骸

                        時間の残骸
                        
                       
                        

さてさて・・・(話をきいとくれ)

2013-07-23 20:08:09 | 日記
                           さりさり

                      さってぃむ
                      さってぃむ


                      ふてんまぬぅ
                      もん
                      しみてぃ
                      たーん いらんきぃ んでぃ

                      
                      わったーしま どぅーなーかってぃし
                      まーちん たっちち 

 
                      んーな ういたたちぃ


                      くんどー
                      ちかゆてーならんでぃ



                      さってぃむ
                      さってぃむ


                      なまちきてぃ
                      うちなーぬぅ
                      まんなか
                      ひこーきぬぅ
                      うふくなてぃ
                      なーひん
                      うふくないんでぃ


                      あきとーあきとー
                      おばあーたーや
                      あめりかーぬぅ
                      じゅうけんぬぅ めーに
                      たちぃ
                      はたき けーちくり
                      うむ いーらんとーならん
                      でぃ いちぃ うにげーさしが
                      あんするむぬん
                      なまちきてぃ はたけーけーてぃくーん


                      あいえなーあいえなー
                      うやふぁーふじぬ はたけー
                      なまん
                      ふぁんとむからおすぷれーんでいーぬぅ
                      へりこぷたーが
                      とぅでぃ
                      あっちょーん


                      えー
                      うんぐぅとーぬぅことぅ


                      ゆるさりーることぅる
                      やいがやー


                      さってぃむ
                      さってぃむ




                         さりさり
               

                      さてさて

                     
                      
                      普天間の
                      門を
                      閉じ
                      だれも入ってはいけないと


                      
                      わが島(の土地を)自分勝手にし
                      (美しい)松の木を切り倒し
 
 
                      棲んでいた者たちを追いたてて


                      今度は
                      近寄ってはならないと


                      さてさて

                
                      
                      今も
                      沖縄のど真ん中には
                      飛行機が居座り
                      多くなり
                      まだ
                      増やすそうだ
                      
                      
                      あーなんということ
                      おばあさんたちは
                      アメリカ兵の
                      銃剣の前に 
                      立ち
                      畑を返してほしい
                      芋を植えなければならないから
                      とお願いをしたが 
                      それにもかかわらず
                      今もって 畑は還っては来ない



                      
                      いう言葉もなく嘆くしかないのか
                      祖先からの田畑は
                      今も
                      ファントムやオスプレイという
                      ヘリコプターが
                      飛び交っている

                      

                      このようなことが
                      許されていいのか

                  
                      さてさて

                      さりさり