ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

首里城

2019-11-29 23:53:01 | 日記

                    首里城


                夕方
                隙間風が吹き抜ける

                秋がゆき
              
                なにか
                落し物をしたような
                はて
                何を落としてきたのか

                何だっけ
              
                違う自分が
                向こうの空から
                眺めて

                何か
                やっぱり
                落っことしてきたらしい

                まぶやー
                まぶやー

                首里にはまだいけねー
               

幸せもの

2019-11-29 21:57:32 | 日記

                    幸せもの

               1日のはじまりは
               朝の光
               昨日はかなたに
               夢も
               記憶さえも
               薄らぼんやりの
               空

               こうやって
               ああやって

               そして
               日は高くなり
               午後の
               弁当は
               横たわる
               魚たち
               生臭さを消す
               風は
               いつのまにか
               冷たく
               生きることとは
            
               四方八方
               ふさがることもあって
               右往左往して
               解決策を
               探し回っている
               間に
               げっそりと
               ほほもこけ

               苔むす
               頭

               とかくこの世は
               複雑怪奇で

               うそつきと
               妖怪が
               金食って
               人の不幸を
               あざ笑って
               のさばっている
               のかな
               と
               一口
               珈琲を飲み干して
               退屈な
               夕暮れに
               あくびする
               あわれな
               幸せものかな
               
               

               

               
               

孤独なグルメのありんこ

2019-11-26 19:34:22 | 日記

                     孤独なグルメのありんこ


                大きな川がありました
                川はどこまでもどこまでも続いていく
                と思われました

                川は
                ゆっくりと
                しかし曲がりくねっていました

                時には激しく
                濁流になることもありました

                さらさらと美しいときがあれば
                にごって
                時にはごみが浮いていることもありました
                あるときは
                泥
                屍さえ流れていきました

                いま
                トランプのダイヤのカードが
                ぷかぷか
                カードの裏には
                人型の顔がいくつもいくつも
                描かれていました

                大きな川で
                小人の手は空に向かい
                流れに逆らおうとして
                ばたばたと振られていました

                小人は
                その手を
                となりの小人に差し出すこともできず
                ありんこの
                体になって
                大きな流れの中に飲み込まれようとしていました

                ひとりでは無力だからと
                声も上げず
                ぬくい水の中で
                このままいい気分でいれば
                何も思わなければ
                何事も起こらないと
                思いました

                ぷつん
                ぷつん
                の
                ぽつんと一軒屋
                の
                ありんこ
                の
                楽しく気楽な
                気ままなひとりよがりな
                想いでした
                
                
                

言語化する前

2019-11-22 22:43:56 | 日記
                     言語化する前


                 おじーとおばーの家は
                 にょきにょきと
                 茂る草木におおわれ
                 

                 だれも面倒みないので
                 にょきにょき
                 茂る草木だけ

           
                 さびしく
                 昔のままの
                 さびれた屋根に
                 にょきにょき


                 いすわる
                 草木
                 かりとっても
                 かりとっても
                 にょきにょき


                 ひとりぼっちの
                 だれもいない
                 庭に
                 にょきにょき

                 
                 100年たった屋根は
                 釘が1本も刺さっていないのが
                 自慢で
                 だけど
                 雨風にさらされて

                 にょきにょき
                 名前があるはずの
                 草木

                 もうそうという
                 草木がにょきにょき

                 もどかしい
                 どもる 
                 口ごもる

                 もうそう
                 にょきにょき

研修会

2019-11-22 18:09:37 | 日記


                     研修会




                赤と緑色に縁取られ
                ケーキが
                ひらひら

                天井につるされた
                おいしそうなケーキ

                どうして
                わくわく
                うきうき
                しなくなったのかな

                夜の眼は
                そこらじゅうのひかりが
                飛び散って
                ガラスの
                かけら
                胸がつぶれそうだ

                  人権の話
                  人権とはなにか      
                  「すべての人が生命と自由を確保し、
                   人間が人間らしく生きる権利で生まれながらに持つ権利であり
                   身近で大切なもの、違いを認め合う心によって
                   守られるもの」

                  わたしは自由であるか
                  わたしは違いを認めて
                  人間の尊厳をわかっているか
               
               クリスマスツリーが
               11月の季節はずれの湿気に
               うつむいきしなびて
               あせた星

                  「お昼後の講義は
                   失礼とは思いながら
                   やっぱりねむい
                   どんな話題か
                   どんな風に話すかが
                   問題だよね」

                  おいおい
                  ぱわはら
                  あかはらの話だけど

                  自分ごとにはならないのか
                  あなたほどパワーを発揮しているひとはいないのに
                  お勉強という言葉を嫌うあなたも
                  そこに長くいるほど
                  アンテナが
                  分厚くなっているのか

                  まあね
                  お偉い方が
                  うそを大いにおつきになるお国柄では
                  なにもかもうそっぽくて
                  
                  こういったら何だけど
                  ガイドラインをつくることがとても難しくて
                  法の上には憲法があり
                  憲法の上には・・・

                  ぼくたちの基盤の良心を
                  論理的に
                  言語化し
                  可視化し

               もやもやと
               天井を見上げていたら
 
               天井のひらひらの文字が
               めりー
               くりしみます
               にみえ
               ケーキのイチゴが
               まっかなくちで
               にやりとしたようで
               ぎょとした