孤独なグルメのありんこ
大きな川がありました
川はどこまでもどこまでも続いていく
と思われました
川は
ゆっくりと
しかし曲がりくねっていました
時には激しく
濁流になることもありました
さらさらと美しいときがあれば
にごって
時にはごみが浮いていることもありました
あるときは
泥
屍さえ流れていきました
いま
トランプのダイヤのカードが
ぷかぷか
カードの裏には
人型の顔がいくつもいくつも
描かれていました
大きな川で
小人の手は空に向かい
流れに逆らおうとして
ばたばたと振られていました
小人は
その手を
となりの小人に差し出すこともできず
ありんこの
体になって
大きな流れの中に飲み込まれようとしていました
ひとりでは無力だからと
声も上げず
ぬくい水の中で
このままいい気分でいれば
何も思わなければ
何事も起こらないと
思いました
ぷつん
ぷつん
の
ぽつんと一軒屋
の
ありんこ
の
楽しく気楽な
気ままなひとりよがりな
想いでした