ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

1万4千700歩の街歩き

2023-11-29 22:01:31 | 日記
                     1万4千700歩の街歩き
                 

                  もう
                  あたまのなかで
                  もやもや
                  もくもく
                  煙が・・・
                  もえかす

                  車に乗らず
                  歩いた

                  1万4千700歩
             
                  ぎこぎこ
                  動きの鈍った
                  歯車が
                  動き出す

                  4年も
                  避けていた街が
                  動いている

                  丘は
                  木々が刈り取られ
                  茶色の土が
                  むきだし

                  なつかしさが
                  ふっとんで
                  かさかさの
                  乾いたあたま
                  こころ

                  珈琲屋のマスターの顔が
                  ねじれて
                  向かいのケーキ屋の
                  おねえさんは
                  こちらに顔を向けず
                  「いらっしゃいませ」

                  西日の射すテーブルは
                  落ち着かず
                  かたかた

                  ゆいれーるの
                  エスカレーターで
                  おじさんが
                  からだをかたむけて
                  作業をしているかと思ったら
                  いまにも
                  落ちてしまいそう

                  「だいじょうぶですか?」
                  と
                  思わず声をかけたら
                  「だいじょうぶだあー」
                  ころころと
                  エスカレーターの階段を
                  ころげて
                  すわって
                  うえに
                  運ばれた

                  きょうの
                  収穫

                  色づいた
                  秋のはっぱ

                  人と向き合わずして
                  人になれない
                  と
                  1万4千700歩を
                  歩いて
                  はじめて気がついた

                  
               
                  
                  
                  
                  

                  

いたみ

2023-11-19 23:41:42 | 日記
                     いたみ


                  おきなわは
                  おきなわではあるが
                  おきなわではない

                  おきなわは
                  おきなわであって
                  おきなわではない

                    きょうふるさとの
                    おはかに
                    あにのいちぶを
                    かえしてきた
                    おおきなおはかで

                    りゅうきゅうせっかいがんの
                    りっぱなおはかですね
                    と
                    なかのくうきはかわいていて
                    
                    そらをながめた
                    きぎのあいだから
                    ひのひかりが
                    はいって
                    おだやかに
                
                    おはかがかがやいていた

                    まっすぐあるいていったら
                    おうちにつくよ
                    こんなにちかいから
                    あんしんしなさい
 
                 おきなわには
                 こざがあって
                 かたかなのまちさ

                 がざではないが
                 がざなんだ

                 あのおおきなせんそうのあと
                 せんりょう軍がやってきて
                 そのまえも
                 うぐしく(城)に軍隊がはいって

                 おきなわは
                 おきなわではなく
                 ほんとはりゅうきゅうで
                
                 にほんのがざみたいだ
                 
                 


               

優しいことば

2023-11-06 23:15:42 | 日記

                      優しいことば

                  空を見上げて
                  はて
                  さみしかったはずだけど
                  なんだったっけ

                       いまはいない
                       ふるさとの
                       ひとびとを
                       思い浮かべながら
                       後ろに走り去る
                       風景を思った

                  夏の日差しの秋の午後
                  怒っている
                  いつか来た道
                  だれもいない

                  風景は去っていくものだから
                  優しいことばをかけてあげよう
                  他人にはね

                  身内には
                  なじったり
                  つめたくあしらったり
                  でもだよ
                  身内も他人さ
                  よくわからない
                  近しい他人

                  だから
                  優しいことばで
                  毎日
                  さよならのための
                  あいさつを

                  みんないなくなる
                  みんなかわってしまう
                  だから