くくる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くくる



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　未来への計画
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　無計画の計画

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おおまかには
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　穏やかに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安心すること
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　過去は振り返るが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　総括し
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　整え
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　腹をくくること

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　苦しいのは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本人であるから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　意思を大事にすること
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　細胞も本人であるから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　憎まず
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よしよしといって
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おとなしくするよう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　言い聞かせ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　暴れまわらぬよう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コントロール下におくこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どこかのだれぞのいう　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「アンダーコントロール」と
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　無責任に放置しないこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　向き合っている本人に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　苦しくとも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　寄り添うこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　引き受けているのは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本人であるから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やたらと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かわいそうがらないこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　寄り添うことを
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　引き受ける判断をしたからには
　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くくった腹を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何度でも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くいっと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くくること
　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この新型コロナの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あやしげな政策化のなかでも

　

かなしい

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かなしい

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　突然の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　期限は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冷徹に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　告げられた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　受け入れることは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　難しいので
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こまごまと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　用をつくり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　忘れる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　選択も難しい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一瞬の判断
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今までの普通を過ごすしかない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　朝の新聞読み
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お茶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　珈琲をいれること
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　昼は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　時々居眠りし
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　夕方はお買い物に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でかけ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　退屈だったこと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひとつひとつが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人生を作っているとは

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　胸が痛い
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悲しいことから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　逃げるな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　残酷すぎる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正直なんて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ときには
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冷たいこと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だと思った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　毎日が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　モノクロのフイルム
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　床に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　落ちて流れていく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ぽろぽろと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真っ白になった
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何も思わなかった
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ただぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　涙
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　落ちて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鼻がつまった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こんな簡単に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　急に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　命のカウントダウンが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　背中に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大きな時計


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おにいさん

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　信じることができず
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ただ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ただ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　涙が流れ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おにいさん

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いろいろのことが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雲の速さで流れ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　のどの奥に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　流れ込み

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この現実が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　流れ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぽろぽろと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぼろぼろ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悲しいなんて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　言葉よりも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　流れ込んだ涙が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しみこんで
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　重い

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

いがぐりころころ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いがぐりころころ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しましまのとら
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３頭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　例のごとく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　楽観的
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　強気の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ポジティブ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　というか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あっぱれ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日の丸の扇子が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ふられ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あのときも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　客観的データを
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　じぶんちの希望的
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　妄想で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　展開して
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　地獄を見たというのに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうね
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何事もないところでは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　贅沢ざんまいの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　狂乱じみて

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あんたがたどこさ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だれさ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　嘘八百の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八枚舌
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンシンアンゼンのお題目は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あんぽんたんの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　壊れたテープレコーダー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いまじゃ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんな古い機械なんか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ありゃせんよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きみ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きみのめは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たるーの死んだ目で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちらーがあーが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はりついて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もうとれない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのまま消滅してしまえ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちらー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たるーをどこかに連れて行け
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もうみるにたえないから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　テレビはいつでも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミステリーにして
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　死体が転がっている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　画面だけを見ている

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おぞましやー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うらめしやー

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まぶたがはれてしまい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かみはざんバラ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こわいよー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こっちにこないでー

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こないでー

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どんぐりころころ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コロコロ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コロリ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コロリ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コロナ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

にがな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　にがな

　　　　　　　　　　　　　　　　　にがなの茎をきざむと
　　　　　　　　　　　　　　　　　しろい汁
　　　　　　　　　　　　　　　　　にがい
　　　　　　　　　　　　　　　　　あく
　　　　　　　　　　　　　　　　　ぶくぶく

　　　　　　　　　　　　　　　　　塩をまぶし
　　　　　　　　　　　　　　　　　もみ
　　　　　　　　　　　　　　　　　水にさらす
　　　　　　　　　　　　　　　　　緑色の汁

　　　　　　　　　　　　　　　　　澄み切った緑
　　　　　　　　　　　　　　　　　にがなの葉


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かわいそうに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あくは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はにやどり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きれいなみどりに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひそんでいる

　　　　　　　　　　　　　　　　　にがなを
　　　　　　　　　　　　　　　　　味わう
　　　　　　　　　　　　　　　　　にがさが舌にひろがり

　　　　　　　　　　　　　　　　　ときは
　　　　　　　　　　　　　　　　　にがささえ
　　　　　　　　　　　　　　　　　おいしいと
　　　　　　　　　　　　　　　　　感じさせるのか
　　　　　　　　　　　　　　　　　と